リチウムイオン電池の安全性確保と関連する規制・規格と表示ルール 2021
構成
A4判・並製・270頁(カラー印刷)
分野
固有技術 > 電気・電子技術
制作
価格
88,000円 (税抜 80,000円) 1点 在庫あり
商品説明
発行:2020年12月1日
本書の特徴
・ 安全性の確保は電池設計の合理性が基本!
・ 性能の悪い電池は安全性も低い...!
・ 安全性と高性能は両立する!
・ 乱立する安全性規則..どれがグローバル標準か?
・ 電池への表示、どれが任意でどれが法定か?
・ 発火事故の背景は電池購入手順のミスか?
・ UL、JIS、IEC、IEEE、区別が付かないが?
発刊にあたって
広く社会の電源インフラとして定着したリチウムイオン電池ではあるが、1991年の創出から現在まで、発火事故などが根本的に解決される状況は見えない。この10年の経緯を見るだけでも、大型化したスマートフォンの電池の充電中の発火、EVの路上火災、各種の電池組込み機器の安全性の危惧などが未解決のままである。
これに対して、JIS規格、IEC規格、UL規格(認証)やUNの国連危険物輸送勧告など、それぞれの時点で安全性の規格や試験方法は、新たに制定され運用面の工夫も重ねられて来た。一方で左記の規格類は、一定レベル以上のリチウムイオン電池の基本設計と製造技術とその管理が前提になる。安全性を無視した“詰め込み設計”や製造工程での“異物混入”などはいくら安全性試験を繰り返しても何ら解決にはならない。
現在、リチウムイオン電池は一部の特殊技術ではなくなり、販売・流通までも含む広い業務範囲で、国内外の諸規制やガイドラインを遵守し、責任分担を果たさなければ、自社の業務の存続が危ぶまれる。実務担当者は、数多く存在する規格、規則や試験方法の中で、有効なアクションを模索する状況があろう。本書では6章に分けて、左記の問題解決に役に立つ情報提供と、問題解決へのヒントを多く紹介した。本書の内容の理解の為には、多少基礎的な電気化学や二次電池工学的な知識も必要とするが、各章の末尾に基礎解説の図表も入れてあるので、参考にして頂きたい。
現在2020年後半は、新型コロナウイルス禍の真っ只中にある。世界的にもEVの生産は大きく落込でいるが、一方でEVをコロナ禍後の産業再生の基幹に据える動きも大きい。リモートビジネスの普及はデジタル通信の拡大を求めているが、その多くはリチウムイオン電池電源に依存している。大中小のいずれのリチウムイオン電池においても、事故率を更に低減する有効策が不可欠である。本書がスピーディな安全対策の一助となることを期待したい。
調査・執筆:菅原秀一/企画・編集:シーエムシー・リサーチ
内容紹介
第1章 リチウムイオン電池の基本構成と安全性確保
1.1 基本用語と範囲
1.2 電池の用途拡大と発火事故の経緯
1.3 電池(セル)の構成、構造と基本特性
1.4 電気化学的な要件と安全性
1.5 セル設計と製造工程
1.6 安全性維持の要件(列記)
1.7 参考資料(正負極材、電解液ほか)
第2章 安全性規格と試験の概要
2.1 測定規格と安全性規格(役割分担)
2.2 内外の規格一覧と試験対象(セル、モジュールとシステム)
2.3 安全性試験の想定域と過酷度
2.4 安全性要求事項(合否判定)
2.5 参考資料_1(電池のAh容量と応用分野ほか)
2.6-1 参考資料_2(安全性試験チャート、過充電ほか)
2.6-2 開発プロジェクトの安全試験の事例
第3章 国内外の安全性規格・試験の各論と実務対応
3.1 JIS C 8712、8714と電気用品安全法
3.2 JIS C 8715-1、-2 (2012-2019)
3.3 UL、TUFと認証制度
3.4 UN危険物輸送勧告と試験項目と運用
3.5 電池の製品仕様、定格と購入手順
3.6 安全性試験の計画、目的と手順
第4章 電池応用製品ごとの規格・規制と安全性試験
4.1 携帯機器類
4.2 EVなど自動車分野
4.3 医療機器分野
4.4 再生可能エネルギーの蓄電システム(定置)
4.5 参考資料 (EV関係の詳細)
第5章 電池と応用製品の表示(マーキング)と背景となる規則等
5.1 各国の表示アイコン
5.2 EU電池指令
5.3 電気用品安全法
5.4 リサイクル関係法規
5.5 表示の実例とまとめ
第6章 安全性問題の根本的な解決への模索
6.1 リスクとハザード
6.2 全固体リチウムイオン電池
6.3 EVと事故率の試算
6.4 まとめ
資料一覧 (材料、部材、製造、二次電池工学 ほか)
安全性試験の和英用語一覧(JISほか)