ジョブスキル教育 教育研修の進め方(その2)

【教育研修の進め方 連載目次】

 ジョブスキル教育は、企業業績に直結する効果を得ることができます。ジョブスキル教育とは文字どおり、日々の業務遂行能力を高めるための教育です。そういう意味では、OJTもジョブスキル教育の一つであると言えます。ジョブスキル教育には、業務遂行能力そのもの関連する高度な専門知識や技能を身につけるための教育もあれば、業務遂行に役立つ一般的なビジネススキル、例えば、交渉力、プレゼンテーション能力のようなものを習得し、実務に活かすようにする教育もあります。いずれにせよジョブスキル教育は、企業の業績アップの鍵を握る重要なものです。ジョブスキル教育のポイントは、次の3つになります。

 

1.基礎をしっかり身につける

 ジョブスキルに限らず、全ての教育に共通して言えることですが、まずは基礎をしっかり身につけさせることが重要です。高いレベルで業務遂行をするためには、まずは土台となる基礎をしっかりと固める必要があります。一度できたからといって、それで終わりにするのではなく、毎日のようにやるべき研修もあります。製造業において毎朝5大用語を復唱するのは、最も基本となる挨拶というジョブスキル教育を実施しているのと同じことです。それだけ基礎が大切だということでしょう。基礎がしっかりしていれば、自然と応用が利くようになるのです。

 

2.個人スキルを磨く

 ジョブスキルを身に付けるためには、個人のトレーニングに重点を置いた方が効果的です。サッカーの練習に例えるとわかりやすいでしょう。例えば、試合形式の練習では、1時間試合をしても一人1分ぐらいしかボールに触れることができません。試合中、ただ走っているだけであり、個々のテクニックが上達することはありません。むしろ一人に1個のボールを与えたトレーニングの方が個々のスキルは格段に上達します。企業内の教育も同じで、受講生一人ひとりにしっかりと課題を与え、研修に必要なツールを整えることが大切です。その上で、受講生のスキルレベルをチェックし、きちんと習得できるまで続けることが重要です。

 

3.高度なスキルは実務を通して学ぶ

 業務遂行面において基礎ができたあとの応用方法やより高度な専門知識を習得するには、いわゆる集合形式の研修よりも、むしろ専門機関や高いレ...

ベルの企業へ派遣するなど、実務を通してスキルを習得させることが効果的です。実際に高度なレベルの業務をこなすことで、現場で使える応用力が身につくのです。わかりやすく言えば、英語を身につけさせるために、短期留学をするようなものです。ただし、優秀な人材が長期間、職場を離れることになりますから、そこをどう調整するかがポイントとなります。またそこで高いスキルを得た社員をOJTリーダーに任命して、他の社員も同じレベルで仕事ができるようにすることが重要です。

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