デザインレビューを実施するには

1. デザインレビュー(DR)とは

 デザインレビューとは、性能、信頼性、価格、納期について、設計、品保(品証)、製造、専門家etc.の有識者で審査し、改善を図る事です。しかしながら、活発な議論にならない、議論が発散する、一方的な設計説明で終わる、形式的なDRになっている、専門家になかなか出席してもらえないなどの声も多く聞かれます。

◆関連解説『DR(デザインレビュー:設計審査)とは』

 

2.DRの実施時期、方法

 DRは早めに議論ポイントを分けて実施することが重要で、1-2 時間/1回で終わることです。人間の集中力が持つのはそのくらいが限度であることや、1~2 時間であれば専門家も都合をつけて出席てくれるものです。時間切れで終わらないで、日を変えてでも続きを何度も実施することが必要です。1回のDRで、性能、信頼性、価格、納期全て議論することは不可能です。

図1.開発ステップにおけるデザインレビュー(DR)

3. デンソー機能品でのDR事例と留意点

 3.1 早めに実施する

 下図2のように参照製品企画段階で実施する製品企画会議での成立性DRと、初回試作図面を量産図面に近づけるためのESDR(アーリーステージDR)を実施します。

 3.2 議論ポイントを分ける

 「成立性DR」では、機能、性能の成立性に絞って議論し、FMEAのチーム活動で見えていない問題を見つけて解決する「PQDR(パーフェクトクォリティーDR)」では品質に特化して議論します。専門家などベテランの出席が少ない場合、ベテランの代わりになるのが「FMEA 辞書」です。「FMEA 辞書」については、下記参考文献を参照してください。

 

図2.デザインレビュー(DR)実施の留意点

 3.3 通常のDRとは

 会社規定の性能、信頼性、価格、納期全てをまとめたDRを実施し、主に製品固有の性能、信頼性などが議論されます。

参考文献

 (1) 本田陽広 : 「FMEA 辞書~気づき能力の強化...

による設計不具合未然防止~」、東京、品質管理学会 JSQC 選書、財団法人日本規格協会発行、2011,150p.

 また、デンソーのDRとFMEAの適用実際を詳細に解説したセミナーのDVDを制作しました。

「品質問題をなくす設計と設計審査の考え方 ”FMEA辞書”」
 

 この中でDRも詳しく説明されていますので、是非ご参考になさってください。

 

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