1. デザインレビュー(DR)とは
デザインレビューとは、性能、信頼性、価格、納期について、設計、品保(品証)、製造、専門家etc.の有識者で審査し、改善を図る事です。しかしながら、活発な議論にならない、議論が発散する、一方的な設計説明で終わる、形式的なDRになっている、専門家になかなか出席してもらえないなどの声も多く聞かれます。
2.DRの実施時期、方法
DRは早めに議論ポイントを分けて実施することが重要で、1-2 時間/1回で終わることです。人間の集中力が持つのはそのくらいが限度であることや、1~2 時間であれば専門家も都合をつけて出席てくれるものです。時間切れで終わらないで、日を変えてでも続きを何度も実施することが必要です。1回のDRで、性能、信頼性、価格、納期全て議論することは不可能です。
図1.開発ステップにおけるデザインレビュー(DR)
3. デンソー機能品でのDR事例と留意点
3.1 早めに実施する
下図2のように参照製品企画段階で実施する製品企画会議での成立性DRと、初回試作図面を量産図面に近づけるためのESDR(アーリーステージDR)を実施します。
3.2 議論ポイントを分ける
「成立性DR」では、機能、性能の成立性に絞って議論し、FMEAのチーム活動で見えていない問題を見つけて解決する「PQDR(パーフェクトクォリティーDR)」では品質に特化して議論します。専門家などベテランの出席が少ない場合、ベテランの代わりになるのが「FMEA 辞書」です。「FMEA 辞書」については、下記参考文献を参照してください。
図2.デザインレビュー(DR)実施の留意点
3.3 通常のDRとは
会社規定の性能、信頼性、価格、納期全てをまとめたDRを実施し、主に製品固有の性能、信頼性などが議論されます。
参考文献
(1) 本田陽広 : 「FMEA 辞書~気づき能力の強化...