すなわち「リサーチ(市場調査)」→「市場の選択(ST Pマーケティング)」→「マ―ケティングミックス(4Pマーケティング)」です。これをPDCAサイクルで何回か回すとより良い戦術が生まれます。 今回はこの中から技術者の「リサーチ」について解説します。
技術者はマーケティングに無縁と思っている方が多いようです。マーケティングは、マーケティング関連部門のみならず、全組織の課題であり、更には全個人の課題でもあります。特に技術者、および技術部門にとってマーケティングは必須と考えられます。技術は当然のことながら、技術者がまたは技術部門が市場を知らずして、また顧客企業、顧客組織、顧客個人を知らずして、更には競合を知らずして、自社を知らずして、どんないい仕事が出来るでしょう?
自ら市場を調べ、自ら顧客のところに出かけ、必死に探りながら自分の技術を磨き、そしてはじめて技術に基づく市場のニーズと期待に沿った商品(でもこの商品は顧客にとっての問題を解決する手段にすぎず最終解答ではない)を提供できるということになります。
以前H社が「静御前」という洗濯機を発売しました。白物家電には強くないH社のその商品は業界で13位に位置していました。ただ、H社は回転音の静かな固有の 技術(シーズ)を持っていました。これが意図せず爆発的に売れたのです。夜洗濯する家庭(母子家庭、共働きの家庭など)では安眠を妨げる音は嫌われたが、この洗濯機は静かだったからです。販売してシーズとニーズの合致を知ったのでした。
ポストイットは、M社の技術陣の失敗作でした。すぐ剥がれる糊には困ったのですが、失敗から出たシーズは、今や世界中で毎日使われています。
技術者は、自社の自分のシーズを保持し、磨き、新技術もとり入れ、適応できる市場ニーズに合わせますが、逆に常に自ら市場ニーズを探り続ける努力を怠ることはできません。技術者がマーケティングする必要がここにあります。マーケティングしない技術者は半人前と言われる所以です。
市場調査には、次の様なものがあります。
(1)政治的、経済的、動態的などのマクロ的観点からの調査
ネットの時代、グローバルの時代だから時に地球的観点も必要になります。
(2...
① 自社(Company)の調査
② 市場、顧客(Customer)の調査
③ 競合(Competitor)の調査
これを3C調査といい。これらを効率よくやるための手法があります。
(3)自分から足を運んで、顧客に会い、Give & Takeの精神でインタビューを行う
そのためには相手側からレスペクトされるだけの技術・知識・人間力が要求されます。さもなければ十分な市場情報を得ることはできません。
市場調査は、技術者の宿命的な仕事と肝に銘じることです。