手に入れた結論をリポート 「新QC七つ道具」の使い方、序論(その5)

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【新QC7つ道具 連載目次】

  1. N7 とは
  2. N7の側面
  3. 21世紀の経営戦略
  4. N7活用上のポイント
  5. 手に入れた結論をリポート
 前回の序論(その4)に続いて解説します。

(7) かける時間を惜しまない

 
 当初「N7は時間がかかって仕方がない。もう少し短時間でできないものか?」との思いに駆られましたが“余法をもって代え難い”事例経験を重ねるうちに次のように考えるようになり“かける時間を惜しまない”をN7活用のポイントの1つにあげ、肝に銘じています。
 
 すなわち、「N7の、余法を持って代え難い問題(使用対象)は、問題点が多岐にわたって複雑に錯綜しており、もともと短時間で解明できるものではありません。むしろN7を使うことにより問題点と効率よく関わることができるので、問題の核心把握に至る時間は他の手法によるよりも短くなる、というより他の方法では同レベルの核心把握は不可能といえます。
 
 又、時間を惜しんで問題の核心に至らないまま従前と変わらぬ認識で具体的活動に入った場合、諸活動のピントが外れて大量の無駄な時間が発生したり、最悪の場合すべてが徒労に終わる事態も考えられます。そういった事態を避け得ることを考えれば、問題の核心を的確に把握し得るN7に投入する時間は惜しんではならない」ただ、ここで問題となるのは、スタッフワークはそこまでやらなくても成り立ってしまうだけでなく、後になっては評価が難しい点です。したがって、なぜ時間をかける必要があるのか、そしてどれくらいの時間をかけることによって何が変わるのかを論じる必要があり、本書ではその点にも言及しました。
 

(8) N7は、最低3回描く

 
 N7は、最終的には図や表の形でアウトプットされるので図や表を描くことになりますが、“最低3回は描く必要がある”というのが筆者の経験則であり、その理由をまとめたのが表1です。ポイントのみですが、いわんとするところは大略理解していただけるものと思います。
 
 表1. N7を最低3回描く理由
 QC7つ道具
 
 

(9) 手に入れた結論をリポートにする

 
 “混沌解明”にN7を活用した場合、そのアウトプットである図や表を使って説明した結論をもとに関係者で問題解決策の立案をすることになります。その場合、解析の当事者以外の人たちは、問題が複雑なだけに、説明を聞いたときは分かったつもりの核心が、後で分からなくなってしまうことが考えられます。
 
 いま一つは、N7のアウトプットには、解析結果とともに解析プロセスにおいて把握した対策立案時に配慮・反映すべき内容も含んでいますが、説明を聞いただけでは対策立案に反映できるところまでの理解は難しいでしょう。したがって、それらの点を念頭に置いた解析結果のリポートを作成しておくことが望ましく、必要な手法についてはそのあたりのノウハウについて模擬事例を作って言及しました。
 

6. 序論のおわりに

 
 長い前置きとなったが、筆者の思いが十分伝わり、結果として本書の有効活用につながるきっかけになれば幸甚至極です。なお、一言お断りしておきたいことは、本書は既版のN7書と趣や言を異にするところが多々見うけられますが、それらは、本来広範な適用範囲を持つN7の使用対象を「21世紀型スタッフワーク」に絞り込み、筆者独自の諸経験に基づく限定的な活用上のポイントに言及したためであり、決して既版のN7書の内容に異を唱えるものではなく、むしろ提案の類と受け取っていただき、諸兄諸姉のご叱正、ご鞭撻を期待する次第です。
 
 次回は、第1章、その1です。尚、今後の連載全般を俯瞰して頂くために最後に目次をご覧下さい。
 
【目次】
序論   ←今回、序論の最終回です。
第1章  混沌解明とN7(新QC七つ道具)←次回
第2...

【新QC7つ道具 連載目次】

  1. N7 とは
  2. N7の側面
  3. 21世紀の経営戦略
  4. N7活用上のポイント
  5. 手に入れた結論をリポート
 前回の序論(その4)に続いて解説します。

(7) かける時間を惜しまない

 
 当初「N7は時間がかかって仕方がない。もう少し短時間でできないものか?」との思いに駆られましたが“余法をもって代え難い”事例経験を重ねるうちに次のように考えるようになり“かける時間を惜しまない”をN7活用のポイントの1つにあげ、肝に銘じています。
 
 すなわち、「N7の、余法を持って代え難い問題(使用対象)は、問題点が多岐にわたって複雑に錯綜しており、もともと短時間で解明できるものではありません。むしろN7を使うことにより問題点と効率よく関わることができるので、問題の核心把握に至る時間は他の手法によるよりも短くなる、というより他の方法では同レベルの核心把握は不可能といえます。
 
 又、時間を惜しんで問題の核心に至らないまま従前と変わらぬ認識で具体的活動に入った場合、諸活動のピントが外れて大量の無駄な時間が発生したり、最悪の場合すべてが徒労に終わる事態も考えられます。そういった事態を避け得ることを考えれば、問題の核心を的確に把握し得るN7に投入する時間は惜しんではならない」ただ、ここで問題となるのは、スタッフワークはそこまでやらなくても成り立ってしまうだけでなく、後になっては評価が難しい点です。したがって、なぜ時間をかける必要があるのか、そしてどれくらいの時間をかけることによって何が変わるのかを論じる必要があり、本書ではその点にも言及しました。
 

(8) N7は、最低3回描く

 
 N7は、最終的には図や表の形でアウトプットされるので図や表を描くことになりますが、“最低3回は描く必要がある”というのが筆者の経験則であり、その理由をまとめたのが表1です。ポイントのみですが、いわんとするところは大略理解していただけるものと思います。
 
 表1. N7を最低3回描く理由
 QC7つ道具
 
 

(9) 手に入れた結論をリポートにする

 
 “混沌解明”にN7を活用した場合、そのアウトプットである図や表を使って説明した結論をもとに関係者で問題解決策の立案をすることになります。その場合、解析の当事者以外の人たちは、問題が複雑なだけに、説明を聞いたときは分かったつもりの核心が、後で分からなくなってしまうことが考えられます。
 
 いま一つは、N7のアウトプットには、解析結果とともに解析プロセスにおいて把握した対策立案時に配慮・反映すべき内容も含んでいますが、説明を聞いただけでは対策立案に反映できるところまでの理解は難しいでしょう。したがって、それらの点を念頭に置いた解析結果のリポートを作成しておくことが望ましく、必要な手法についてはそのあたりのノウハウについて模擬事例を作って言及しました。
 

6. 序論のおわりに

 
 長い前置きとなったが、筆者の思いが十分伝わり、結果として本書の有効活用につながるきっかけになれば幸甚至極です。なお、一言お断りしておきたいことは、本書は既版のN7書と趣や言を異にするところが多々見うけられますが、それらは、本来広範な適用範囲を持つN7の使用対象を「21世紀型スタッフワーク」に絞り込み、筆者独自の諸経験に基づく限定的な活用上のポイントに言及したためであり、決して既版のN7書の内容に異を唱えるものではなく、むしろ提案の類と受け取っていただき、諸兄諸姉のご叱正、ご鞭撻を期待する次第です。
 
 次回は、第1章、その1です。尚、今後の連載全般を俯瞰して頂くために最後に目次をご覧下さい。
 
【目次】
序論   ←今回、序論の最終回です。
第1章  混沌解明とN7(新QC七つ道具)←次回
第2章  挑戦管理とN7の選択
第3章  連関図法の使い方  
第4章  親和図法の使い方   
第5章  マトリックス・データ(MD)解析法の使い方 
第6章  マトリックス図法の使い方 
第7章  系統図法の使い方 
第8章  アロー・ダイヤグラム法の使い方 
第9章  PDPC法の使い方 
第10章 PDCA-TC法の使い方 
 

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この記事の著者

浅田 潔

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。


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