IoT、AR、VRと製造業

1. IoTの目的と狙いを理解する

 IoTとは「Internet of Things」の略で「モノのインターネット」と訳します。パソコンなどの情報通信機器に限らず、すべての「モノ」がインターネットにつながることで、生活やビジネスが飛躍的に変化するといわれています。ただ、IOTに関する様々な情報が飛び交い混乱しているのも事実です。IoTについて基本や本質を理解せず、情報を得ようとしても増々惑わされてしまうため、まず基本をじっくりと学習し、理解することが必要です。
◆関連解説『情報マネジメントとは』
 
 
 まず、IoTでは「ありとあらゆるモノ」がインターネットにつながることといわれています。しかし、家電製品などは、すでにインターネットでつながって、スマホからコントロールすることも可能になっています。ただIoTは、ただ繋がるだけでは何の意味もありません。
 
 IoTシステムにおいては、以下の機能が基本的な流れとなっています。
  1. 「検知機能」でモノから情報を取得する
  2. インターネットを経由して「コンピュータ」にデータを蓄積する
  3. 蓄積されたデータを分析する。ビッグデータを解析するには「人工知能」が使われる
  4. 分析結果に応じてヒトや企業に有益な情報や付加価値を提供する
 
 つまりIoTとは、ただ単にモノがインターネットにつながることではなくモノから情報を取得し、それを利用して、どういう問題を解決するのか?誰の課題を解決するのか?までを考えることなのです。企業で何かしらのIoTを活用した取り組みを行ったとしても、圧倒的なコスト削減や生産性向上が追究できなければ意味がありません。多品種少量生産工場で、人出が不足する、生産効率が上がらないなど、これまで課題だった問題が解決し、飛躍的に生産性や品質が向上したりコストダウンに繋がったりする方法を考えなければならないのです。
 
 このようにIoT導入の目的を良く見極め、自社の取り組みを行っていくことが重要となります。
 

2. ARとVRの違いとは

 ARとVRの違いは何でしょうか。製造業における活用方法について考えて行きたいと思います。
  
 

(1) VRとは仮想世界に現実を反映させる技術

 VR(仮想現実:VirtualReality:バーチャルリアリティ)は、現実ではないが現実のように感じさせる仮想世界に現実の人間の動きを反映させる技術のことをいいます。仮想世界は現実ではありえないものも簡単に再現することができます。
 
 VRといえばゲーム!といわれるほどゲーム業界では活用されています。また医療の分野でもさまざまな応用があります。たとえば、社会不安や飛行恐怖症会話恐怖症、高所恐怖症などを持つ患者はVR技術によって、快復したケースがあります。そして、VRは生理治療の面で、手術をするとき、患者の注意力は仮想現実世界に没入して、身体的な痛みを忘れることができます。また、医学生の医療トレーニングにもVRが用いられています。
 

(2) ARとは現実に仮想世界を反映させる技術

 AR(拡張現実:AugmentedReality:オーグメンテッドリアリティ)は、現実の世界の一部に仮想世界を反映させ...
る技術のことです。有名なものでは「Google Glass」というメガネがあります。GoogleGlassをかけて、周りの景色を見ると天気や交通情報などをメガネ上に表示してくれます。一番活用されているのはスマートフォンのカメラアプリです。
 
 ARは、ゲームや教育、ちょっとした遊び、医療/パイロット/軍事における高度でリスクの高い作業をトレーニングするためのツールなど、ARにはいろいろな利用ケースが考えられる。ほかにも、看板などの自動翻訳、購入前の家具の試し置き、服やメガネのバーチャル試着など、挙げればきりがない。ぜひ自由な発想で面白い活用方法が見出されています。

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