USITの進め方 課題解決実践法-USIT(その2)
2018-07-12
前回のその1に続いて解説します。
実際のUSITの進め方を図3 に示します。この各Stepについて以下に述べます。
図3. USITの進め方 <そのステップ>
通常の技術問題は、複数の事象が絡み合っていることが多いのですが、USITではそれらを解きほぐして「一つの問題」に絞り込みます。一つに絞り込むことが出来ないときには、一つずつを複数回取り組みます。簡単なスケッチを描き、何を解決したいのか、その問題を引き起こしている原因の種(中核原因)は何かを探り、それを解決すれば本当にOKとなる課題(中核課題)は何かを出します。
課題定義がきっちり出来れば7割方対策が出来たと言っても過言ではありません。
問題分析には下記の「現行システム分析法」と「理想モデル法」の2つと、 それに続く「時間 ・ 空間的特性分析」があります。現行システム分析法と理想モデル法はどちらか1つだけでも良いのですが、両方を使った方がBestな解を得易いでしょう。
現行システムの構成因子(モノ)と働き、およびモノが持っている性質を列挙します。現行システムの改良を行うアプローチに向いています。
「理想解」を考えることからスタート。「こうありたい」「こうあってほしい」状況を列挙します。現行システムや明確なモデルが無い場合にも使えます。 発想を広げやすいでしょう。
問題の起こっている時間や空間を捉えることで、対処すべきタイミングや場所を考えます。これにより解決策の方向の示唆が得られます。
図4 にアイデアを出す視点を示します。
図4 アイデア発想の視点1,7,8)-簡略版-
1)モノからの発想法:モノ(構成因子)を変える。→ モノを無くす/増やす/分割する など。
2)性質からの発想法:性質を変える。→ 性質を抑える/強調する/変える など。
3)機能からの発想法:機能(働き)を変える。→ 機能を抑える/追加する/分ける など。
4)解決策の体系化による発想法
上記で得られた解決策を体系化し、解決策の抜け/モレを補う。更に、一般的な解決策をより具体的な形にする。
5)解決策の組...
み合わせによる発想法
各具体案を組み合わせて更に強力な解決策にする。または上位システムに移行させます。
1)~5)によって、通常数百の解決策が生まれます。
次回は、3.4 優先順位の決定から解説を続けます。