現場にいる「ヒト」の IOT武装とは
2018-08-03
労働人口の縮小・高齢化、熟練した作業員のリタイヤや外国人労働者増加などから現場におけるITを活用した作業支援の需要が高まりをみせています。
そこで、AR(拡張現実)や身につけて持ち歩くことができる機器や装置(ウェアラブルデバイス)の技術を使って、製造や物流を中心とした現場作業を支援するシステムが注目を集めています。
ARメガネまたはヘッドマウントディスプレイ(HMD)は、それを装着することでハンズフリーになること、インターネットを通じて遠隔地と様々な情報のやり取りができることなどから、製造や物流を中心とした現場支援や作業記録の効率化などに適用可能です。
プラントエンジニアリング企業では、工場内の点検作業では若手作業員とベテラン作業員と二人一組で現場を回っていました。ペアで作業すればベテランのノウハウを若手に伝授することができますが、ベテランの人数が限られる中では効率的ではありません。
また、マニュアル類を持ち歩いての作業は安全性に課題があり、点検を終えて事務所に戻ってからレポートを書く業務も煩雑です。
そこで点検作業にARメガネを導入しました。ARメガネに装着されているカメラやマイクなどを通して管理室でモニタリングしているベテランとやり取りすることで若手でも一人で点検作業にあたることができるようになります。
作業のチェック項目もメガネのレンズに表示されますので、点検マニュアルを持ち歩く必要もなくなります。更に作業が完了した機械部分を、作業員がレンズを通して見ると、自動で作業項目にチェックが入るので、紙のレポートを作成する必要がなくなります。
ARメガネ、HMDのその実態は「作業マニュアル」の拡張版として位置づけられます。はじめは紙製のマニュアルから始まり、...
PCで見るWebマニュアルが加わり、近年は可搬性の高いスマートフォンやタブレットを活用することも増えました。
そして新たに加わったのが、ARメガネ、HMD、スマートグラスなどと呼ばれるウエアラブル端末です。今後は「物流」「フィールドサービス」「製造業の組み立て現場」などでの活用がどんどん進んでいくことと思われます。