大きな被害が出る大地震が続いています。今、各社が必要としている事が網羅されたBCP(注 を作り直す好機ではないでしょうか。今回は事業経営にフォーカスしたBCP作成に関して、リスク分析の観点から解説します。(注 BCP:事業継続計画
1. 対策が必要な事業の見極
まず、事業を取引先や製品などでグルーピングします。次に、経営への影響度(売上・利益)をランク付け(例えば5段階表示)します。 更に、それらの事業の代替手段可否を、当社との関係性などを考慮し同様にランク付け(例えば5段階表示)します。
それらのランク付けしたものを縦軸を経営への影響度、横軸を代替手段として表を作成し、取引先・製品などをマッピングします。
2. 事業経営にフォーカスしたBCP計画の策定
事業マッピング表から、経営への影響度が高い取引先や製品などについて、代替手段の有無によって対応策を決定します。
(1) 代替え手段があれば、災害時に協力してもらうための協力関係を日頃から強化していたり、災害時の代替えルールなどを明確にしておくことが重要となります。
工場分散やデータ二重化などもこの対策となります。但し、近距離の場合など同様に被災する可能性が高い場合や、戦略製品などは代替手段がない前提で考えておく必要があります。
(2) 代替え手段がない場合は、耐震などの地震対策、災害時に対応可能な従業員の確保や下記の災害復旧計画などをBCP計画に盛り込んでおきます。
- 顧客や協力会社向け(代替手段、他社への一時移管、取引復元)
- 従業員や資源対策(安全確保、修理・復旧対策、資源調達)
- 財務対策(運転資金、不渡対策、仕入や給与支払、復旧資金確保)
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会社の経営状態や経営資源、立地条件などによりこの対策は異なりますので、自社独自のBCP計画を練りなおすことがポイントとなります。