【目次】
第7章 系統図法の使い方←今回
第8章 アロー・ダイヤグラム法の使い方
第7章 系統図法の使い方
7.4 系統図法の「抽出項目欠落防止機能」について
7.4.2 事例に見る系統図法の「要実施事項抽出における欠落防止機能」
【事例説明1】系統図「QCサークル活動を活発にするには」
(1)「発想展開型」系統図3例に見る要実施事項の抽出結果
前回のその3に続いて解説します。
ここで、欠落防止の鍵を握ると思われる、1次の展開項目内容をまとめたのが表7-2です。
表7-2 3事例の1次展開項目の内容
展開内容のNo.1~5については、1次展開だけに限定すると欠落が心配されますが、2次までにはすべて含まれており、当該テーマに対する問題意識は大筋で一致しているといえます。
展開内容のNo.6、7は、双方とも1次要因としては非常に特殊な展開内容ですが、当事者にとっては重要ということであり、こういったものが出てくるところが「発想展開型」ならではの特徴です。
次に、4次の展開項目(末端の要実施事項) 81の内容を各事例の抽出状況に併せてまとめたのが表7-3です。要実施事項の内容は、オリジナルのままだと個々に具体的に過ぎるので、ある程度内容でまとめましたが、1件だけの場合の表現はそのままとしました。
3事例共通(◎)は4項目、2事例共通(〇)は5項目と各事例に共通の項目が少なく感じますが、そこに含まれている要実施項目数でみると61あって全体の75%を占めており、大筋では考えが同じといえます。
表7-3 3事例の要実施事項抽出状況一覧表
【考察】要実施事項の網羅性について
抽出内容の大半(75%)は大筋で同じといえ、残り(25%)は各事例ごとの特殊事情を反映した「発想展開項目」といえ、このような項目の抽出は、このタイプの利点といえます。ただ、展開内容をつぶさに検討してみると、次のような懸念点をあげることができます。
- 管理者・支援者サイドの思惑が強い。(QCCの声の反映が弱い)
- 実施事項の趣旨はよいが内容が漠然として的が絞られていない
- 項目相互に相反するものがあり矛盾している
- 要実施事項の欠落につい...
ては検証が難しい
以上が、「発想展開型」の持つ宿命的なものかどうかについては、次項で「欠落防止型」系統図の事例を終えたところで比較検証します。
次回に続きます。