クレームは大切な宝の山 クレーム対応とは(その32)

 
  
 
 今回から、「クレームは大切な宝の山」について解説を進めます。
 

4. クレームを宝物に変えてしまう「奥の手」

 
 一般に、お客さま相談室に情報発信する顧客の約90%は「電話を使っている」と検証されています。つまり、相談室に質問、問い合わせ、提案、依頼、コンプレイン、クレームといった情報を発信する人のほとんどは自社の顧客であり、電話により情報発信してくるのです。
 
 電話以外のFAX、手紙、メールなどもよく使われますが、これらを経由して入る情報は、全体の5%~6%がせいぜいでしょう。残りは、販売店を経由するケース、あるいは取引先メーカーを経由するケース、さらに会社への直接来社などです。
 
 たとえば、日本企業の中でも抜群に顧客満足度が高い企業として知られる花王の場合は、一日に400件から500件の顧客からの電話があるようです。一か月間で約1万1000件、年間ベースでは13万件から17万件という膨大な数の情報を顧客から入手しているのです。
 
 さて、問題はここから先です。
 
 これまでの各章でも、お客さま相談室の役割や機能について多角的に分析してきましたが、「相談室に入る膨大な顧客の声=大量の情報」をどのように認識し、どのように活用するかによって、相談室や企業の「価値」が決まります。
 
 なぜならば、お客さまから発信されるクレームやコンプレインは、企業にとって非常に大切な「宝の山」だからです。クレームを迅速に解決し、指摘された問題を改善することによって、企業は顧客満足度を飛躍的に向上させることができると同時に、新たな利益を与えてくれる新規顧客の心まで、つかむことができるのです。
 
 では、お客さま相談室に発信されるクレームを、どうすれば「宝の山」に変えることができるのでしょうか。次回は、クレームを宝物に変える...
お客さま相談室の「奥の手」を、考察していきます。
 
 【出典】武田哲男 著 クレーム対応、ここがポイント  ダイヤモンド社発行
          筆者のご承諾により、抜粋を連載
 

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