顧客の代弁者になろう クレーム対応とは(その49)

 
  
 
 前回のその48に続いて、解説します。
 

【クレーム対応心得】

 
 企業にとって顧客は、ある一定のイメージで把握されやすいのです。経営者と話をしていても、「うちの顧客は……」と言って、自社の顧客像を一つのイメージだけで認識している場合が少なくありません。
 
 だが、顧客と向かい合うお客さま相談室のスタッフは、「顧客はつねに進化している」「顧客はつねに変化し、レベルアップを図っている」といった謙虚な認識を持つべきです。
 
 最も悪いケースは、特定のイメージに押し込めてしまって、そのイメージから外れる顧客を排斥しようとすることです。
 
 「そのようなことを言われるお客さまは、あなただけですよ」
 「こんなクレームは、お客さまが初めてですねえ」
 
 自分たちのイメージに合わない顧客を、「なんでアンタみたいな人が、うちの商品を買ったんだ」と言わんばかりに、排斥するのです。
 
 顧客の意識はたえず進化し、変化しています。それまで何の問題も起こっていなかった状況が変化し、ある日突然クレームに変わることも少なくありません。
 
 たとえば商品の匂いなどについても、5年前ならば受け入れられた香りが、現在では拒絶されて、クレームになることもあります。そうした顧客の変化に対して、最前線で顧客に接する相談室スタッフは、つねに柔軟に接する大切さを肝に銘じて下さい。
 
 いつも自分の立場を謙虚にして、顧客の声に耳を...
傾け、顧客の変化を敏感に察知する。そうした感性が、顧客をファンにする魅力あふれるお客さま相談室を作っていくのです。
 
 次回は、「実践的マニュアル作り」として、マニュアル作成のヒントを解説します。
  
【出典】武田哲男 著 クレーム対応、ここがポイント  ダイヤモンド社発行
           筆者のご承諾により、抜粋を連載
 

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