ジャストインタイム

 世界に知れ渡ったトヨタ式生産システムのジャストインタイムの生まれた背景を、その生みの親である大野耐一氏のもとでシステム開発に貢献した金田秀治氏から話を聞く機会がありました。

 金田氏によれば、著作にもあるとおり、1960年代前後の日本自動車産業は米国の自動車産業に比べて10分の1以下でしかなく、国家の産業政策のなかでもその必要性が無かったか、又は優先順位が産業政策上高くなかったという事です。

 当時の日銀総裁は日本の自動車産業不要論の側でり、そのような環境のなかで米国の自動車産業を前にした生き残り手段として開発されたのがカンバンシステムであり、現在の日本を代表し世界レベルの収益性を誇るトヨタの原形となりました。

 大野耐一氏が米国の自動車会社の生産技術の視察旅行で見たスーパーマーケットの商品補充方式が、カンバンシステムのもとになったのは有名な話です。この事実からもジャストインタイムは当初から生産技術ではなく、オペレーション...

間の「つなぎの技術」、即ちロジスティクスであったことが分かります。ジャストインタイムは注文を受けてから素早く作ることで、キャッシュに変換するスピードをあげるキャッシュフロー経営です。
◆関連解説『生産マネジメントとは』

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