接合の分類 金属材料基礎講座(その28)

 

 板や棒やパイプなどの金属材料を接合する方法は大きく分けてボルト・ナットなどで締結する機械的接合法と溶接のように材料の一部を溶解・凝固過程を通して一体品とする冶金的接合法があります。これ以外では接着剤などによる接着法もあります。金属材料にとって接合というと冶金的接合法を指すことが多いです。図1に冶金的接合法の分類の一部を表示します。冶金的接合法は大きく分けると溶融接合、固相接合、抵抗接合、ろう接合に分けることができます。

図1. 接合方法の分類例

 溶融接合は一般的に溶接と呼ばれる手法です。接合する材料の端面を部分的に溶解し、その溶融材同士あるいは溶接棒などの溶加材を加えて接合します。加熱する熱源、シールドガス、電極などによって図1のような分類に分けられます。

 固相接合は材料同士を溶解させないで、固相のまま接合する手法です。固相同士を接合するためには塑性変形を起こす応力や溶解せずともある程度の加熱が必要になります。これは金属原子の拡散現象を利用するためです。溶融接合と比較すると入熱が少ないこと、材料への組織の影響が少ないことなどが利点として挙げられます。固相接合として最近注目を集めている手法がアルミニウム合金などで適用されているFSWです。

 抵抗接合は材料を重ね合わせて電極ではさみこみ加圧しながら大電流を短時間で流し、その抵抗熱(ジュール熱)によって溶解させて接合する手法です。抵抗接合ではこの溶解部をナゲットと呼んでいます。

 ろう接合は材料そのものを溶解せず...

に、材料の接合部にろう材と呼ばれる低融点の材料を溶解して毛管現象により流し込みます。ろう接合はろう材と溶接材料とのぬれ性が重要になります。ろう材と溶接材料との相性がよければ、ろう材がよく濡れて接合部に浸透していきます。

 次回は、MAG溶接、MIG溶接、TIG溶接について解説します。

◆【関連解説:金属・無機材料技術】

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