金属材料に圧延や鍛造などの加工を行うと、材料中にひずみや転位が蓄積されて加工硬化していきます。加工硬化された材料は伸びや靭性などの塑性加工性が低下します。ここで、加工硬化された材料を加熱すると、次第に材料中のひずみが解放され、新しいひずみのほとんどない結晶粒に置き換わる現象が起きます。これを回復・再結晶と呼びます。その硬さと伸びと組織の概念図を図1に示します。
図1. 回復と再結晶の概念図
金属の回復とは?
低温では硬さが高く伸びが低いです。その時の組織はひずみの多い組織になります。これを加熱すると原子の拡散が起こり、格子欠陥の移動や...