1.フィッシュアイ
フィッシュアイは主に内部起点破壊の周辺に見られる模様です。
浸炭や高周波焼入れなどの熱処理をした鋼は表面が硬いため、内部から破壊を起こしやすいのです。この時に観察されるのがフィッシュアイと呼ばれる模様です。起点を中心に放射状の跡が観察されます。起点は主に不純物介在物や内部欠陥などです。このフィッシュアイ周辺は、へき開破壊のような滑らかな破面となり、その周りと色合いが異なります。
写真説明:フィッシュアイ
2. ストライエーション
材料に繰返し応力負荷がかかることで亀裂が進行すると、ストライエーションと呼ばれる破面が形成されます。
破面の特徴としてはμmオーダーの細かい段差が観察されます。ストライエーションは疲労破壊の特徴的な破面として知られています。ストライエーションの発生過程には、亀裂と繰返し応力が関係しています。亀裂先端に引張応力が負荷されると、亀裂先端ですべり変形が起きます。その後、逆方向の引張応力や圧縮応力が負荷されると、き裂の逆方向にすべり変形が起きます。これが新しいき裂(ストライエーションの1間隔)になります。そして、再度応力が加わる時に新しい亀裂先端からストライエーションの進行が起こります。この様子を図1に示します。ストライエーションの1つの間隔は応力...