◆ インヒビターの用途と種類
水溶液などに添加して腐食を防止する効果を発揮する物質を腐食抑制剤、インヒビター、防錆(ぼうせい)剤などと呼びます。
インヒビターは完全に腐食を防ぐことができなくても、少量の添加で腐食速度を遅くすることができれば効果があるといえます。ステンレス鋼など、コストの高い材料や塗装などのメンテナンスコストと比較して、有効性がある時に使用されます。
腐食環境はさ...
TOP
水溶液などに添加して腐食を防止する効果を発揮する物質を腐食抑制剤、インヒビター、防錆(ぼうせい)剤などと呼びます。
インヒビターは完全に腐食を防ぐことができなくても、少量の添加で腐食速度を遅くすることができれば効果があるといえます。ステンレス鋼など、コストの高い材料や塗装などのメンテナンスコストと比較して、有効性がある時に使用されます。
腐食環境はさ...
水溶液などに添加して腐食を防止する効果を発揮する物質を腐食抑制剤、インヒビター、防錆(ぼうせい)剤などと呼びます。
インヒビターは完全に腐食を防ぐことができなくても、少量の添加で腐食速度を遅くすることができれば効果があるといえます。ステンレス鋼など、コストの高い材料や塗装などのメンテナンスコストと比較して、有効性がある時に使用されます。
腐食環境はさまざまなので、インヒビターも色々な種類がありますが、どのような環境にも適したインヒビターがあるわけではありません。インヒビターは循環冷却水のように閉鎖された環境で使用することもあれば、酸洗いのように開放された環境で使用することもあります。
インヒビターはその特徴から不動態型、沈殿皮膜型、吸着型などに分類することができます。その分類を表1に示します。
表1. インヒビターの分類例
不動態皮膜型はインヒビターの酸化力によって、表面に不動態皮膜を形成して保護します。クロム酸塩、亜硝酸塩、モリブデン酸塩などがあります。沈殿皮膜型はインヒビターと金属を反応させて、その生成物を表面に沈殿させることで保護します。リン酸塩やケイ酸塩などがあります。また銅に対してはベンゾトリアゾールなどが使用されます。吸着型はインヒビター分子が表面に吸着して保護します。インヒビターの分子は極性基と疎水基があります。金属表面には極性基が吸着し、疎水基が水をはじきます。
次回に続きます。
続きを読むには・・・
現在記事
◆ 不動態皮膜の特徴 金属表面をどれだけ鏡面仕上げに研磨して磨いても、大気中の酸素と表面が反応し、ナノレベルの薄くて透明...
◆ 不動態皮膜の特徴 金属表面をどれだけ鏡面仕上げに研磨して磨いても、大気中の酸素と表面が反応し、ナノレベルの薄くて透明...
今回は、製品検査方法の非破壊検査と破壊検査、浸透探傷検査、過電流探傷検査、超音波探傷検査、検査について解説します。 1. 非破壊検査 ...
今回は、製品検査方法の非破壊検査と破壊検査、浸透探傷検査、過電流探傷検査、超音波探傷検査、検査について解説します。 1. 非破壊検査 ...
1. 疲労破壊 (1) 金属疲労について 疲労という言葉は一般的に使用されており、人が様々なストレスにさらされて疲れた状態のこと...
1. 疲労破壊 (1) 金属疲労について 疲労という言葉は一般的に使用されており、人が様々なストレスにさらされて疲れた状態のこと...
私は約20年前に自動車用コネクターメーカーで、接点材料の研究開発を担当していました。当時の接点は錫めっきが主流でした。一方、ECU(エンジンコントロール...
私は約20年前に自動車用コネクターメーカーで、接点材料の研究開発を担当していました。当時の接点は錫めっきが主流でした。一方、ECU(エンジンコントロール...
15年前に勤務していた自動車用部品の製造会社で、ゾルゲル法による反射防止コートを樹脂基板上に製造する業務の設計責任者をしていました。ゾルゲル法というのは...
15年前に勤務していた自動車用部品の製造会社で、ゾルゲル法による反射防止コートを樹脂基板上に製造する業務の設計責任者をしていました。ゾルゲル法というのは...
© ものづくりドットコム / ㈱産業革新研究所
ものづくりドットコムのIDでログイン
まだ未登録の方は、「無料」会員登録で多くの特典が!
Aperza IDでログイン
Aperza IDでのログイン機能は終了いたしました。
今後はものづくりドットコム会員ご登録の上、ログインをお願いいたします