2種類以上の金属を溶解して凝固する時に、例えばA金属とB金属を1対1の割合で溶解して、単純にその配合通りの合金がそのまま得られることは限られます。
多くの場合、様々な濃度の固溶体や種々の反応や化合物を形成したりします。この時に、このA、Bをどの割合で溶解した時に、どのような組織の材料が得られるかを示したのが合金状態図になります。この時2種類の合金について扱う場合、2元合金状態図と呼びます。3種類の合金の時は3元合金状態図となります。
1. 全率固溶体とは
全率固溶体とは、2種類以上の金属が溶解して形成される固体のことを指します。この状態では、異なる金属原子が結晶格子内に均一に分散し、互いに溶け合っています。全率固溶体は、金属間の相互作用が強く、特定の条件下で安定した構造を持つことが特徴です。全率固溶体は、金...