◆ めっきや塗料の密着性を高めるには
めっき(メッキ)や塗料の密着性は、下地金属の表面状態や洗浄が非常に重要です。めっきや塗装がどれだけ優れていても、下地金属に密着していなければ剥(は)がれてしまい、容易に腐食してしまいます。前処理の例として無電解めっきの工程を図1に示します。
図1.無電解めっき加工工程例
めっき工程の前に多くの洗浄や酸処理工程があります。めっきも塗装の前処理もさびや汚れなどを、研磨などで機械的に除去する工程や脱脂、洗浄する工程以外に、酸などの薬品で酸化膜などを除去する酸処理など、密着性を高めるため色々な表面処理を行う工程があります。
機械的にさびなどを除去する方法として、研磨や研削などがあります。また古い塗装を除去する時にサンドブラストで表面をきれいにすることもあります。そして付着した汚れなどを洗浄するのに有機溶剤を使用した脱脂があります。また塩酸やリン酸のような、薬品に浸してさびを除去する酸処理もあります。酸処理についてはさびの除去を目的に行われる時と、表面を製膜しやすくするために処理する時があります。
めっきや塗装の皮膜を形成する際、下地金属の表面を意図的に粗く凸凹にすると、表面積が増えて皮膜の食いつきがよくなります。これをアンカー効果[1]といいます。
次回に続きます。
【用語解説】
[1]アンカー効果とは、接着や塗装において、材料表面の...