今回は、技術イノベーションを顧客価値で考える例を紹介致します。
自動車業界が挙って、「100年」に一度の変革期だと、未来志向の期待品質の探索に右往左往しています。その変革、要因は以下のようにいわれています。
- ガソリンエンジン車が淘汰され、電気自動車に変わる。
- 自動運転になり、運転者の環境が変わる。
- ガソリンエンジンメーカーは新事業を検討しなければいけない。
- 自動運転車になり、ハンドルがなくなるので、次の事業を考えなければいけない。
この変革期に次の製品や事業構想は生半可ではできません。視点を変えて、そもそも、本当に顧客は自動運転や電気自動車が欲しいのでしょうか。
顧客の将来ありたい姿は、
- お客様は○○になりたい、○○の最大化、最小化。
- そのために、△△を□□する。
と考えると顧客価値でのアイデアが出てきます。
(例)
『お客様は自動車運転で絶対事故をがしたくない。事故の最小化』
そのために
・アクセルを踏み込みすぎても急発進しない。
・万が一正面衝突した時は身体を守ってくれる。
・車体を擦っても傷が付かない。
・事故を予測できたら、自動でブレーキが掛かる。
・危険を事前察知したら、回避してくれる。
ここから出てくる要望は技術要望ではありません。
品質表の考え方を活用して、顧客要望を技術に置き換えます。
・アクセルを踏み込みすぎても急発進しない。=エンジン性能
・万が一正面衝突した時は身体を守ってくれる。=エアバッグ、シートベルト
・車体を擦っても傷が付かない。=バンパー、ドア
・事故を予測できたら、自動でブレーキが掛かる。=ブレーキ
・危険を事前察知したら、回避してくれる。=ドライブレコーダー
この技術が可能かどうか、◎○△でマーキングしてみます。
・エンジン「△」
・エアバッグ「△」、シートベルト「△」
・バンパー「○」、ドア「○」
・ブレーキ「△」
・ドライブレコーダー「△」
○、◎が多い項目で、顧客価値に言い方に変えて、顧客に仮説案としてアンケートを用いて購入意向を検証します。
- 顧客の将来のありたい姿を構想します。
- 構想から何ができる...
その逆は、進めてはいけません。それは、次の顧客不全3箇条になるからです。
① 要求品質が技術思考なので顧客がしたいことと乖離します。
② 要求品質の乖離で検証しても顧客の購入意向は不確実であります。
③ 不確実な購入意向が要求品質になり顧客が欲しがらない、売れない。