2.モノづくり〈現場改善の基本〉
◆ 実行力
現場で実に良い改善のアイデアが出て、「さあやろう!」という時に、間髪を入れずに「それっぽっちの効果では意味がない、もっと別の方法があるのではないか」とか、「継続できるかどうかが分からないのに、果たして実行していいものか...」といった、その場の勢いを削ぐ声が上がることがあります。代案があるのなら議論になりますが、無いのです。即ち典型的な評論家の意見です。
現場改善の最大の敵は評論家です。世の中には意見を言うことで満足し誇らしげにしている人がいるのですが、実行を伴わない意見や理屈は何の役にも立ちません。
現場改善の良いところは、すぐ実行すればその場で結果が分かることです。
もし上手くいかないと分かったら元に戻せばいいし、たとえ失敗しても、その過程で次はどうすればいいかは分かるものです。世の中、やってみなければ分からないことばかり、すなわち、やればすぐ分かることばかりです。良くも悪くも想定外のことが起きたりもするので、成功の前例がなければ足がすくむものです。だからこそ実際に実行した人はアイデアだけの人より100倍の価値があるのです。
私はいつも現場改善にいちばん必要なモノは「チエと筋肉」だと言っています。思いついた改善アイデアは即実行することです。みんなでワイワイガヤガヤとおしゃべりをしながらまずは筋肉を使って改善を始めれば、いろいろなチエが次々と出て、始める前の心配がいかに取り越し苦労であったかが分かることを私はたくさん経験しています。
改善とは? すぐやること! どうぞ頑張ってください、いつも応援しています。
今回の言葉
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100の理屈やアイデアよりも、1つ、その場で実行する方が、100倍価値がある。
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「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」
日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫