課題解決に役立つ技術セミナーの選び方【前編】

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◆ 課題解決の突破口!? 技術セミナーあ・ら・か・る・と

 ものづくりに携わる技術者は、日々の業務の中で多くの未知の技術課題に直面します。「新たな知識を得てその課題を解決していかなくてはならない。でも職場や身の回りには教えてくれる人がいないし、独学ではちょっとハードルが高そう…」。 そんな時に突破口を開いてくれるのが技術セミナーです。ひとくちに技術セミナーといっても、極めて多数・多種類の講義が開かれていますので、その中からあなたの技術課題解決にぴったりのセミナーを見つけていきましょう。まずはどのようなセミナーがあるのかを前編で、そして選び方を後編で紹介します。

【目次】


    1. 無料と有料セミナー

     技術セミナーには無料(会場・資料代が実費負担のものを含む)と有料のものがあります。

     無料技術セミナーは学会・各種協会や教育・研究機関など技術関連の非営利団体が主催することが多く、内容的には最新技術や新たな関連法規・政策などトピックスの概略などを説明するものが多くなっています。

     幅広い層に向けた短時間のセミナーが大部分なので、業務上の課題解決に直結するような深い内容はあまり期待できないかも知れませんが、新たなテーマに関する手掛かりをつかむという意味では有効なこともあります。探し方としてはインターネット検索のほかに、関連する学会や協会、機関のホームページをこまめにチェックするといいと思います。

     また各種製品・サービスを提供する企業が主催する無料セミナーもあります。具体的に採用を検討してみたい製品・サービスがある場合、その企業にコンタクトしてみましょう。

     一方、有料セミナーですが首都圏を中心に様々なセミナー主催企業や財団により多数開催されています。受講料は数万円以上と決して安くはなく、日程は半日から複数日にわたり開かれるものまであります。内容も極めて多岐にわたる上、深く掘り下げたものも多く、みなさんの技術課題に合ったセミナーを慎重に選ぶ必要があります。

     それでは有料セミナーにはどのようなものがあるのか見ていきましょう。

     

    2. セミナー内容も様々

    (1) 入門セミナー

     ある1つの技術分野について、基本的な知識・理論や技法から説明するセミナーです。「●●入門」「■■の基礎」「初歩から学ぶ▲▲」などのタイトルが付いている場合も多く、その技術分野に初めて接する新人や初任者、まだ経験が浅い人にも分かりやすく解説してくれます。経験がある程度以上ある人にとっても、知識を再整理・復習し体系化する意味で利用価値があります。

    (2) 詳細・応用セミナー

     その技術分野に関する一定の基礎知識と経験を持った人を対象に、詳細な知識や具体的技法、応用分野や事例などを説明するセミナーです。直面する技術課題にぴったりのテーマのセミナーがあれば、多大な成果を得ることができます。

    (3) 最新技術紹介セミナー

     現在研究・開発が進められている、もしくは今後進展が見込まれる最新技術を紹介するセミナーです。現在関連分野の業務に従事している人はもとより、新分野のビジネスや技術開発のテーマ探索にも有効です。

    (4) 実習セミナー

     コンピュータアプリケーションを用いたデータ処理・分析などの作業や、各種の技術的手法、コミュニケーション術などを講師の指導のもとで実習を通して習得するセミナーです。

    (5) 見学付セミナー

     工場や研究所などの見学と座学を組み合わせたセミナーです。通常ではなかなか見ることができない技術現場を、専門講師の案内付きで見ることができます。

     挙げさせていただいた①~⑤のうち複数の要素を兼ね備えたセミナーも多くあります。例えば入門から詳細・応用までをまとめて解説するセミナーや、見学付の最新技術紹介セミナーなどです。

     

    3. 講師はどのような人が?

    (1)  技術コンサルタント

     企業などの技術者を経てコンサルタントになった人が多く、具体的事例や実務対応など、経験に裏打ちされた実践的なセミナー内容が期待できます。

    (2) 企業の技術者

     実際に開発や市場展開などに携わっている人から、製品や技術の詳細な解説を聞くことができます。その企業の製品や技術に関心がある方には特に有用な情報が得られます。

    (3)  大学・研究機関の研究者

     基礎理論の系統に沿った解説や今後を見据えた最先端技術の紹介など、実務現場とは異なった視点・考え方を学ぶことができます。

    (4) その他

     弁理士・弁護士などの士業や官庁の担当官(元担当官も含む)、マーケティングなど技術以外のコンサルタントが講師を務めるセミナーもあります。

     

    4. 開催場所と時期・日時

     開催場所は約9割が東京都心など首都圏で、ほかに大阪・京都や名古屋でもある程度の件数が開催されています。それ以外の地域では極めて少ないのが現状です。同じ内容のセミナーが首都圏と他地域でそれぞれ開催されることもあります。

     会場は公共施設の会議室・ホールや民間の貸会議室が中心ですが、主催者によっては...

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    ◆ 課題解決の突破口!? 技術セミナーあ・ら・か・る・と

     ものづくりに携わる技術者は、日々の業務の中で多くの未知の技術課題に直面します。「新たな知識を得てその課題を解決していかなくてはならない。でも職場や身の回りには教えてくれる人がいないし、独学ではちょっとハードルが高そう…」。 そんな時に突破口を開いてくれるのが技術セミナーです。ひとくちに技術セミナーといっても、極めて多数・多種類の講義が開かれていますので、その中からあなたの技術課題解決にぴったりのセミナーを見つけていきましょう。まずはどのようなセミナーがあるのかを前編で、そして選び方を後編で紹介します。

    【目次】


      1. 無料と有料セミナー

       技術セミナーには無料(会場・資料代が実費負担のものを含む)と有料のものがあります。

       無料技術セミナーは学会・各種協会や教育・研究機関など技術関連の非営利団体が主催することが多く、内容的には最新技術や新たな関連法規・政策などトピックスの概略などを説明するものが多くなっています。

       幅広い層に向けた短時間のセミナーが大部分なので、業務上の課題解決に直結するような深い内容はあまり期待できないかも知れませんが、新たなテーマに関する手掛かりをつかむという意味では有効なこともあります。探し方としてはインターネット検索のほかに、関連する学会や協会、機関のホームページをこまめにチェックするといいと思います。

       また各種製品・サービスを提供する企業が主催する無料セミナーもあります。具体的に採用を検討してみたい製品・サービスがある場合、その企業にコンタクトしてみましょう。

       一方、有料セミナーですが首都圏を中心に様々なセミナー主催企業や財団により多数開催されています。受講料は数万円以上と決して安くはなく、日程は半日から複数日にわたり開かれるものまであります。内容も極めて多岐にわたる上、深く掘り下げたものも多く、みなさんの技術課題に合ったセミナーを慎重に選ぶ必要があります。

       それでは有料セミナーにはどのようなものがあるのか見ていきましょう。

       

      2. セミナー内容も様々

      (1) 入門セミナー

       ある1つの技術分野について、基本的な知識・理論や技法から説明するセミナーです。「●●入門」「■■の基礎」「初歩から学ぶ▲▲」などのタイトルが付いている場合も多く、その技術分野に初めて接する新人や初任者、まだ経験が浅い人にも分かりやすく解説してくれます。経験がある程度以上ある人にとっても、知識を再整理・復習し体系化する意味で利用価値があります。

      (2) 詳細・応用セミナー

       その技術分野に関する一定の基礎知識と経験を持った人を対象に、詳細な知識や具体的技法、応用分野や事例などを説明するセミナーです。直面する技術課題にぴったりのテーマのセミナーがあれば、多大な成果を得ることができます。

      (3) 最新技術紹介セミナー

       現在研究・開発が進められている、もしくは今後進展が見込まれる最新技術を紹介するセミナーです。現在関連分野の業務に従事している人はもとより、新分野のビジネスや技術開発のテーマ探索にも有効です。

      (4) 実習セミナー

       コンピュータアプリケーションを用いたデータ処理・分析などの作業や、各種の技術的手法、コミュニケーション術などを講師の指導のもとで実習を通して習得するセミナーです。

      (5) 見学付セミナー

       工場や研究所などの見学と座学を組み合わせたセミナーです。通常ではなかなか見ることができない技術現場を、専門講師の案内付きで見ることができます。

       挙げさせていただいた①~⑤のうち複数の要素を兼ね備えたセミナーも多くあります。例えば入門から詳細・応用までをまとめて解説するセミナーや、見学付の最新技術紹介セミナーなどです。

       

      3. 講師はどのような人が?

      (1)  技術コンサルタント

       企業などの技術者を経てコンサルタントになった人が多く、具体的事例や実務対応など、経験に裏打ちされた実践的なセミナー内容が期待できます。

      (2) 企業の技術者

       実際に開発や市場展開などに携わっている人から、製品や技術の詳細な解説を聞くことができます。その企業の製品や技術に関心がある方には特に有用な情報が得られます。

      (3)  大学・研究機関の研究者

       基礎理論の系統に沿った解説や今後を見据えた最先端技術の紹介など、実務現場とは異なった視点・考え方を学ぶことができます。

      (4) その他

       弁理士・弁護士などの士業や官庁の担当官(元担当官も含む)、マーケティングなど技術以外のコンサルタントが講師を務めるセミナーもあります。

       

      4. 開催場所と時期・日時

       開催場所は約9割が東京都心など首都圏で、ほかに大阪・京都や名古屋でもある程度の件数が開催されています。それ以外の地域では極めて少ないのが現状です。同じ内容のセミナーが首都圏と他地域でそれぞれ開催されることもあります。

       会場は公共施設の会議室・ホールや民間の貸会議室が中心ですが、主催者によっては専用のセミナールームを使用することもあります。大部分の会場は鉄道駅から近い場所にあります。

       開催時期は、一部の年間スケジュールを一括公開する主催者を除き、おおむね2~3か月以内のものが公開されています。開催日は基本的に平日で、時間は午前から夕方までの1日コースと午後の半日コースが多くなっています。2日間以上の複数日開催のセミナーもあり、日程は連続日程と間を開けた日程の両方があります。

       なお実際の会場で直接受講するセミナー以外に、インターネットで配信する遠隔セミナーやオンデマンドセミナーも増えてきており、特にコロナ禍以後は、むしろこちらのほうが主流ともいえる状況になっています。遠方の開催場所に出向く必要がなく、オンデマンド・アーカイブ配信の場合は時間にも制約されないため、多忙な技術者にとって受講しやすいセミナーです。

       次回【後編】では、今回お話しさせていただいた多種多様な技術セミナーの中から、自分の課題に合ったセミナーを選び出すヒントを詳しく説明いたします。

       


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      この記事の著者

      嶋村 良太

      商品企画・設計管理・デザインの業務経験をベースにした異種技術間のコーディネートが得意分野。自身の専門はバリアフリー・ユニバーサルデザイン、工業デザイン、輸送用機器。技術士(機械部門・総合技術監理部門)

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