商品企画7つ道具:コンジョイント分析とは

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コンジョイント分析


 今回は、商品企画7つ道具:コンジョイント分析を初心者向けに紹介致します。

1、商品企画7つ道具:コンジョイント分析とは

 要求仕様を決定する際、計画的に仕様の要素を動かして種々の組み合わせを作り、顧客調査や顧客アンケートによって、組み合わせ案を評価してもらい、最も良い要求仕様を決める方法です。

 私は商品企画の場面で新商品の仕様を決定する際によく使います。後述のようにコンジョイント分析は個々の仕様の重要度を測定します。もしもコンジョイント分析の考え方を使わないと、次のような商品案があった場合に個々の重要度を聞いても、商品案を組み合わせでは聞いていないので、いいとこ取りをしても「買いたい」か否か正確には判断できません。

 【例】機能性食品について

  • 原料は重要ですか?
  • 国産は重要ですが?
  • 訴求効果はどちらがいいですか、疲労回復、疲労防止? 

 コンジョイント分析は品質管理における実験計画法を、商品企画・マーケティングに応用しています。

 ちなみに実験計画法は、

 例えば、自動車の破壊実験をして車体の強度を測るために、それぞれの水準(例えば素材、厚み、形状など)の組み合わせを最小の実験回数で、すべての組み合わせを評価する方法として取り入れられました。このようにものづくりのデータ計測の際に活用されています。

 これを商品企画の際、コンジョイント分析を活用して、各水準を組み合わせて、最小の組み合わせですべての商品企画案の組み合わせを評価する方法として、取り入れられました。

2、コンジョイント分析:種々の組み合わせの作り方

 すべての組み合わせを評価するのが一番ですが、属性(仕様)が7つ、それぞれ水準が2つの場合は、2×2×2×2×2×2×2である128案にもなり、非常に膨大な評価となってしまいます。ここに直交表を活用すると、属性(仕様)が7つ、水準がすべて2つの場合、8案を評価するだけで、128案評価したのと同じ評価が得られます。顧客調査をする際、128案を評価するより8案の方が、設計する側も回答する側も手間が省けます。

3、コンジョイント分析:分析結果の考え方

 各属性の水準値が、全平均に対して±効果を持つものです。これを効用値といいます。+の場合全平均に対して+の効果を及ぼします。このことから、+の値が大きいほど、+の効果をもたらします。逆は全平均から-の効果となります。

 【例】商品案評価を5段階評価で「買いたい」を評価した場合の効用値結果

 (1) 素材

  • 天然原料のみ :0.11
  • 他原料配合    :-0.11

 (2) 価格

  • 2500円:0.34
  • 3500円:-0.34

 (3) 製造元

  • 日本にて原料調達および製造:0.10
  • 日本にて製造:-0.10

 (4) 効果

  • 疲労回復効果配合:0.26
  • 疲労防止効果配合:-0.26

◆ 全体平均:3.7...

コンジョイント分析


 今回は、商品企画7つ道具:コンジョイント分析を初心者向けに紹介致します。

1、商品企画7つ道具:コンジョイント分析とは

 要求仕様を決定する際、計画的に仕様の要素を動かして種々の組み合わせを作り、顧客調査や顧客アンケートによって、組み合わせ案を評価してもらい、最も良い要求仕様を決める方法です。

 私は商品企画の場面で新商品の仕様を決定する際によく使います。後述のようにコンジョイント分析は個々の仕様の重要度を測定します。もしもコンジョイント分析の考え方を使わないと、次のような商品案があった場合に個々の重要度を聞いても、商品案を組み合わせでは聞いていないので、いいとこ取りをしても「買いたい」か否か正確には判断できません。

 【例】機能性食品について

  • 原料は重要ですか?
  • 国産は重要ですが?
  • 訴求効果はどちらがいいですか、疲労回復、疲労防止? 

 コンジョイント分析は品質管理における実験計画法を、商品企画・マーケティングに応用しています。

 ちなみに実験計画法は、

 例えば、自動車の破壊実験をして車体の強度を測るために、それぞれの水準(例えば素材、厚み、形状など)の組み合わせを最小の実験回数で、すべての組み合わせを評価する方法として取り入れられました。このようにものづくりのデータ計測の際に活用されています。

 これを商品企画の際、コンジョイント分析を活用して、各水準を組み合わせて、最小の組み合わせですべての商品企画案の組み合わせを評価する方法として、取り入れられました。

2、コンジョイント分析:種々の組み合わせの作り方

 すべての組み合わせを評価するのが一番ですが、属性(仕様)が7つ、それぞれ水準が2つの場合は、2×2×2×2×2×2×2である128案にもなり、非常に膨大な評価となってしまいます。ここに直交表を活用すると、属性(仕様)が7つ、水準がすべて2つの場合、8案を評価するだけで、128案評価したのと同じ評価が得られます。顧客調査をする際、128案を評価するより8案の方が、設計する側も回答する側も手間が省けます。

3、コンジョイント分析:分析結果の考え方

 各属性の水準値が、全平均に対して±効果を持つものです。これを効用値といいます。+の場合全平均に対して+の効果を及ぼします。このことから、+の値が大きいほど、+の効果をもたらします。逆は全平均から-の効果となります。

 【例】商品案評価を5段階評価で「買いたい」を評価した場合の効用値結果

 (1) 素材

  • 天然原料のみ :0.11
  • 他原料配合    :-0.11

 (2) 価格

  • 2500円:0.34
  • 3500円:-0.34

 (3) 製造元

  • 日本にて原料調達および製造:0.10
  • 日本にて製造:-0.10

 (4) 効果

  • 疲労回復効果配合:0.26
  • 疲労防止効果配合:-0.26

◆ 全体平均:3.77点(n=200)

 素材は天然原料を採用すると全平均に+0.11の効果をもたらします。価格は2500円を採用すると全平均に+0.34の効果があります。最もよい要求仕様は、素材は「天然原料」、価格は「2500円」、製造元は「国内調達、製造」、効果は「疲労回復効果」である機能性食品が評価され、5段階評価において、この仕様を採用するとそれぞれの効用値と全体平均値を足した4.58点になること分かります。

 このように、コンジョイント分析は商品企画の場面で新商品の仕様を決定する際に使います。

【関連解説:商品企画七つ道具】

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この記事の著者

石川 朋雄

日本のものづくりは品質向上に切磋琢磨し,高品質な商品を開発しました。高品質商品と顧客価値創造を融合する商品企画のシステム化を提案します。

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