必要なモノの揃え方 儲かるメーカー改善の急所101項(その78)

 

6、強いモノづくり

◆ 必要なモノは必要な時に

 どのような業界でも、モノづくりではたくさんの種類の材料や部品を用意して、工程ごとに加工や組み立てといった作業が行われます。材料や部品が揃(そろ)っていなければ作業はできませんから、作業者も資材担当者も、必要なモノが揃っているか、在庫があるかどうかに意識が行きがちになります。

 しかしモノづくりに必要なモノが全部で100種類あるとき、100種類すべてが同時に必要になるということはまずないでしょう。重要なことは、いつも必ずあるということではありません。必要なモノが必要な時に必要なだけ揃うことです。最後に使うモノが最初からあっても、場所を取って邪魔になるし、お金も先に出て行っています。

 

 日本の自動車会社の部品揃えは、その日の生産計画に従って時間単位で必要な部品が納入されることが普通になっています。よくこんなすごい仕組みができたな…と思いますが、部品の大きさと品種の多さを考えるとこの仕組みが必要なことが分かります。すべての部品を前もって置いておくとなると、想像がつかない大きさの倉庫が必要になるのです。

 どの会社にも、かさばって置き場所に困るモノがあると思います。段ボールなどはその筆頭なのではないでしょうか。大きなロットサイズで仕入れると、体積が大きいだけでなく、保管の状態によってはすぐ劣化します。そうなると壊れやすく、取り出しにも注意が必要になります。もし必要なだけ置いてある状態であれば、作業がとても楽になるはずです。例えば段ボールの買い方がどうなっているのか?もっとチョビチョビギリギリに買うことができないか?検討する価値は高いと思います。

 モノが必要なときに必要なだけ来るとなると、倉庫の大きさはどれだけ小さくて済むでしょう?どの工場でも五分の一くらいになってしまうのではないかと思います。必要なモノをチェックリスト化して確認している工場は多いのですから、一歩進めて、時間軸も合わせた「必要な時に揃う」ことを意識してみると...

、モノづくりは格段に強くなるでしょう。

 

今回の言葉   

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 必要なモノを揃えておくな。必要な時に揃うようにせよ。
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「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」

 日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫 

 

◆関連解説『生産マネジメントとは』

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