酸化数 金属材料基礎講座(その51)

 

◆ 酸化数の定義

 腐食反応では酸化還元反応を扱います。

 酸化還元反応は単に金属と酸素が反応するだけでなく、電子の授受によって金属がイオン化することも酸化還元反応と呼びます。電子を放出して、鉄イオンのようにプラスイオンになることは酸化反応です。反対に電子を受取り、酸素イオンのようにマイナスイオンになることは還元反応です。

 原子が電子を受け取ったり、放出することは酸化数[1]の変化として現れます。そのため酸化数の定義が必要になります。酸化数の定義を表1に示します。酸化数が増加することは酸化反応となり、酸化数が減少することは還元反応となります。

 

表1. 酸化数の定義

 

 次回に続きます。

 

 【用語解説】

 [1]酸化数:酸化数(さんかすう、英: Oxidation number)とは、対象原子の電子密度が、単体であるときと比較してどの程度かを知る目安の値。1938年に米ウェンデル・ラティマー(Wendell Mitchell Latimer)が考案した。酸化とはある原子が電子を失うことであるから、単体であったときより電子密度が低くなっている。それに対して還元とはある原子が電子を得ることであるから、単体であったときより電子密度が高くなっている。ある原子が酸化状態にある場合、酸化数は正の値をとり、その値が大きいほど電子不足の状態にあることを示す。逆に還元状態にある場合には負の数値をとり、その値が大きいほど電子過剰の状態にあることを示す。酸化数が...

高いほど(酸化数が大きいほど)、電子の密度は低い。酸化数はローマ数字で記述するのが通例であるが、算用数字を用いてもよい(引用:Wikipediaから、https://ja.wikipedia.org/、最終更新 2019年4月18日 (木) )。

◆【関連解説:金属・無機材料技術】

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