【実践編 目次】
第1章 改革の土台をつくる
(1)意識改革で改革の前提をつくる
すべての改革は意識改革から始まる/3つの改革
(2)「整理」で要るモノ・要らないモノを明確にする
「5S・3定」で基礎をつくる/「整理」とは捨てるモノを明確にすること
不要なモノが引き起こすムダと問題/「赤札作戦」で不要なモノをオモテ化する
(3)「整頓」でモノの置き場・置き方を標準化する←今回の記事
使いやすく、分かりやすく/整頓①田の字レイアウト
整頓②ストライクゾーン/整頓③先入れ先出し
整頓④置き場線で区画する/整頓⑤わかりやすく表示する「看板作戦」
戻しやすさの追求
(4)「清掃」を日常的な点検・保全につなげる
清掃点検・保全を一連の作業とする
(5)「清潔」は事後処理から予防へと踏み込む取り組み
「予防3S」のしくみをつくる/予防整理:要らないモノを発生させない
予防整頓:戻さなければ乱れない/予防清掃:ゴミを発生させないしくみ
(6)「躾け」で職場に緊張感をつくる
第1章 改革の土台をつくる
改革を行なう際には、しっかりとした土台づくりが大事です。そのために必要なのが「意識改革」と「5S・3定」。整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ)を中心とする現場改革の基本です。
(3)「整頓」でモノの置き場・置き方を標準化する
モノの置き場と置き方のルールを決め、分かりやすい表示で現場を整頓する。
◆ 整頓②ストライクゾーン(下図参照)
図.モノの置き場のストライクゾーン
次に、モノの置き場を考えましょう。
このとき考慮すべきことは、モノを取り扱う作業者にかかる負担であり、ムリなく出し入れできる「高さ」です。モノの置き場にも「ストライクゾーン」があります。
人が立った状態でモノを出し入れしやすい高さは、脇の下から腰の位置までの範囲といわれ、これは、ほぼ野球のストライクゾーンの高さにあたるのです。置き場の高さは、AからDのランクに分けられます。
● ランクA: 脇の下から腰の位置まで
モノがこの高さにあると、作業者は腰やひざを曲げたり、背伸びをしたりせずにモノの出し入れが可能です。
● ランクB: 上は目の高さから脇の下まで、下は腰からひざまで
この範囲なら、少し腕を伸ばしたり、腰を曲げて、前かがみになったりすれば、モノを取り扱える高さです。
● ランクC: 上は手を伸ばして届く高さから...
作業者は背伸びをしたり、かがんだりする姿勢で作業しなければならなくなり、負担が重くなります。
● ランクD: Cランク以上、以下の高さ
AからDランクにいくにつれて負担が増すため、モノの置き場を決める際はA~Cの範囲で、モノの重さを考慮して決めます。
次回に続きます。
【出典】古谷誠 著 『会社を強くする ジャスト・イン・タイム生産の実行手順』中経出版発行(筆者のご承諾により連載)