中小工場の革新案 儲かるメーカー改善の急所101項(その97)

 

7、これからのモノづくり経営

 前回の儲かるメーカー改善の急所101項(その96)付加価値を付ける方法に続いて、解説します。

 

◆ 中小工場の革新案

 出張先の仕事を終えて次の場所に移動する際、私はしばしばというかいつもというか、何か軽い食べ物を口に入れたいと思うのです。その時どうするか…ですが、たいていの場合、駅ビルとか近くのスーパーに行ってその中にあるインストアベーカリー(店内工房)に行き、気に入ったおいしそうなパンを一つ(時々二つ)買って、電車の中で食べることが多いのです。同じスーパーのパン売り場に行けば、袋に入ったもっと値段の安いパンを売っているのですがそこには行きません。

 そういうことを考えていた時にこのパンの事例は、これから中小の製造業が進むべき方向を考える例になると思ったのです。

 

 スーパーのパン売り場に並んでいるたくさんのパンの多くは大手メーカーの商品です。生産性の高い大きな工場で造ったものを、トラックで運んできている大量生産品です。たくさんの種類のパンが袋に入った状態で並んでいて、値段も安いのですが、この移動の際に食べたいパンはその日一生懸命働いた私へのささやかなご褒美ですので、選びません。やはりインストアベーカリーのパンの方が魅力的だからです。

 この大手メーカーに対して、中小メーカーが、少しでも生産性の高い設備を導入して作業訓練を行って大手メーカーと同じ商品を作っても勝ち目は薄いでしょう。しかしインストアベーカリーを始めたらば話は別だと思います。多品種少量でおいしいパンを店内で焼いて、出来立てをちょっとずつ出すのです。少々高くても売れるし、お客様の評価も生で聞いて、改良や新作に活かすこともできます。

 これからの中小製造業は小型化を考えてみることもいいと思います。工場をショップとして出店できるまで人も設備も多能工化で小さくすれば、新たな商売が見えてく...

るかもしれません。

今回の言葉   

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工場を小さくすれば、儲かる新たなビジネスが生まれる。

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「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」 

日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫 

 

◆関連解説『生産マネジメントとは』

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