FRPとは

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FRP

 

欧米では、合成ゴム、合成繊維、接着剤なども広く樹脂・プラスチックの仲間として取り扱われるのが一般的です。一方日本では、樹脂・プラスチックは熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂のことを言い、弾性材料である合成ゴム、接着剤などは樹脂・プラスチックとして扱わないことになっています。ゴムのような弾性材料をエラストマーといいますが、ゴムのような弾性をもつ樹脂・プラスチックもつくられるようになってきて、分類が複雑です。

 

プラスチックは金属、セラミクスと肩を並べる3大材料の一つと言われています。プラスチックは他の材料と比べて、軽量でかつ比較的低い温度で成形できるために様々な成形加工法が開発され、日用品から加工機械・機械器具・輸送機器に至るまで広域な関連分野で使用されています。

 

プラスチックは低コストで様々な特性を付与することができるため、非常に魅力的な材料です。そのため、身の回りの多くの製品でプラスチックが使われています。一方、不適切な設計が原因で、製造業ではプラスチック製品のトラブルが数多く発生しています。強度に関連したトラブルは、重大事故につながる可能性もあり、事前にしっかりとした強度設計を行うことが不可欠です。

このプラスチック製品の強度設計は難度の高い業務です。材料力学、材料特性に関する知識、製品設計上の実務的ノウハウなど、幅広い知識・ノウハウが要求されるからです。

 

このような背景から、プラスチックの欠点を補う手段としてFRP(繊維強化プラスチック)が市場に登場しました。今回は、FRPの概要を解説します。

 

1.FRP(Fiber Reinforced Plastics)とは

FRPとは繊維強化プラスチックのことで、カーボンやガラス繊維などでできたマットを樹脂の中に入れた複合材料です。樹脂が素材なので軽量で、繊維によって強化されているため強度が高いのが特徴です。

 

ガラス繊維などの弾性率が高い素材を樹脂の中に入れることで、強度に優れ、軽い複合素材となるのです。金属との比較でも高強度で、サビない上に腐食もしないFRPは、その素材としての特性が認められて、鉄道車両、車や航空機、バスルームやボートなど幅広く使用されています。

 

2.FRPの特徴と種類

ガラス繊維がFRPで使用されている繊維の代表で、その他にもカーボンファイバーや、ケブラー、ダイニーマなどの樹脂繊維も使われています。一方、樹脂に関しても、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、熱可塑性樹脂などが使用されています。


ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂とガラス繊維を組み合わせた複合素材のガラス繊維強化プラスチック:GFRPが最も一般的なFRPですが、それ以外のFRPの種類としては次のようなものがあります。

 

【FRPの種類】

 

CFRP(炭素繊維強化プラスチック)

カーボンファイバーを繊維素材として使用したFRPです。GFRPよりも軽量で強度も高いためアルミニウム合金の代替材としても使用出来ます。CFRPには樹脂を含ませた炭素繊維マットを型に貼り、圧力をかけて焼き固めるドライカーボンがあります。ドライカーボンは強度も高いのですが、非常に高価なため、航空機やF1レース用車両、ハイエンドのスポーツカーなどに使用されています。

 

GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)

ガラスマットと、ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂の組み合わせが一般的なFRPでホームセンターなどでも容易に材料を入手することが可能です。最も広く使われるFRPで、身近なところではユニットバスやボートなどに使用されています。

 

GMT(ガラス長繊維強化プラスチック)

長い繊維のガラスマットを使用したFRPです。通常のFRPよりも強度は高く、高温下でも低温下でも強度が低下しにくいという特徴があります。

 

ZFRP(ザイロン強化プラスチック)

樹脂と高強度、高弾性率を持つザイロン繊維を複合させたFRPです。きわめて高い強度で、難燃性です。

 

BFRP(ボロン繊維強化プラスチック)

ボロン繊維を使用したFRPです。軍事兵器などにも使用され軍用航空機、宇宙ではスペースシャトルなどにも使われています。

 

AFRP・KFRP(アラミド繊維強化プラスチック)

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FRP

 

欧米では、合成ゴム、合成繊維、接着剤なども広く樹脂・プラスチックの仲間として取り扱われるのが一般的です。一方日本では、樹脂・プラスチックは熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂のことを言い、弾性材料である合成ゴム、接着剤などは樹脂・プラスチックとして扱わないことになっています。ゴムのような弾性材料をエラストマーといいますが、ゴムのような弾性をもつ樹脂・プラスチックもつくられるようになってきて、分類が複雑です。

 

プラスチックは金属、セラミクスと肩を並べる3大材料の一つと言われています。プラスチックは他の材料と比べて、軽量でかつ比較的低い温度で成形できるために様々な成形加工法が開発され、日用品から加工機械・機械器具・輸送機器に至るまで広域な関連分野で使用されています。

 

プラスチックは低コストで様々な特性を付与することができるため、非常に魅力的な材料です。そのため、身の回りの多くの製品でプラスチックが使われています。一方、不適切な設計が原因で、製造業ではプラスチック製品のトラブルが数多く発生しています。強度に関連したトラブルは、重大事故につながる可能性もあり、事前にしっかりとした強度設計を行うことが不可欠です。

このプラスチック製品の強度設計は難度の高い業務です。材料力学、材料特性に関する知識、製品設計上の実務的ノウハウなど、幅広い知識・ノウハウが要求されるからです。

 

このような背景から、プラスチックの欠点を補う手段としてFRP(繊維強化プラスチック)が市場に登場しました。今回は、FRPの概要を解説します。

 

1.FRP(Fiber Reinforced Plastics)とは

FRPとは繊維強化プラスチックのことで、カーボンやガラス繊維などでできたマットを樹脂の中に入れた複合材料です。樹脂が素材なので軽量で、繊維によって強化されているため強度が高いのが特徴です。

 

ガラス繊維などの弾性率が高い素材を樹脂の中に入れることで、強度に優れ、軽い複合素材となるのです。金属との比較でも高強度で、サビない上に腐食もしないFRPは、その素材としての特性が認められて、鉄道車両、車や航空機、バスルームやボートなど幅広く使用されています。

 

2.FRPの特徴と種類

ガラス繊維がFRPで使用されている繊維の代表で、その他にもカーボンファイバーや、ケブラー、ダイニーマなどの樹脂繊維も使われています。一方、樹脂に関しても、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、熱可塑性樹脂などが使用されています。


ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂とガラス繊維を組み合わせた複合素材のガラス繊維強化プラスチック:GFRPが最も一般的なFRPですが、それ以外のFRPの種類としては次のようなものがあります。

 

【FRPの種類】

 

CFRP(炭素繊維強化プラスチック)

カーボンファイバーを繊維素材として使用したFRPです。GFRPよりも軽量で強度も高いためアルミニウム合金の代替材としても使用出来ます。CFRPには樹脂を含ませた炭素繊維マットを型に貼り、圧力をかけて焼き固めるドライカーボンがあります。ドライカーボンは強度も高いのですが、非常に高価なため、航空機やF1レース用車両、ハイエンドのスポーツカーなどに使用されています。

 

GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)

ガラスマットと、ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂の組み合わせが一般的なFRPでホームセンターなどでも容易に材料を入手することが可能です。最も広く使われるFRPで、身近なところではユニットバスやボートなどに使用されています。

 

GMT(ガラス長繊維強化プラスチック)

長い繊維のガラスマットを使用したFRPです。通常のFRPよりも強度は高く、高温下でも低温下でも強度が低下しにくいという特徴があります。

 

ZFRP(ザイロン強化プラスチック)

樹脂と高強度、高弾性率を持つザイロン繊維を複合させたFRPです。きわめて高い強度で、難燃性です。

 

BFRP(ボロン繊維強化プラスチック)

ボロン繊維を使用したFRPです。軍事兵器などにも使用され軍用航空機、宇宙ではスペースシャトルなどにも使われています。

 

AFRP・KFRP(アラミド繊維強化プラスチック)

アラミド繊維を使用したFRPです。耐衝撃性に優れますが、この素材の特性から、加工性は良くありません。

 

3.次世代FRPとは

従来のFRPと同じ性質や特性を持ち、FRPと全く同じ使い方ができる、FRPに代わる新素材が注目されています。それが次世代FRP「燃えないFRP 」です。この燃えないFRPは、水溶性繊維強化セラミックを基に開発されたもので、バサルトクロスで強化した繊維強化セラミックです。樹脂を使用しておらず、燃えるものが成分に一切入っていないため、全く燃えることが無く、有毒ガスも発生しません。

 

様々な用途で利用することを想定して開発されたもので、使用に際してクリアーすべき基準や課題は、ほとんどが解決済です。次世代FRPの品質は日々進化して向上しています。

 

 

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この記事の著者

嶋村 良太

商品企画・設計管理・デザインの業務経験をベースにした異種技術間のコーディネートが得意分野。自身の専門はバリアフリー・ユニバーサルデザイン、工業デザイン、輸送用機器。技術士(機械部門・総合技術監理部門)

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