油圧は、産業分野で縁の下の力持ちとしての役割を担い、工業技術に幅広く貢献してきています。油圧機器は、多くの可動部品とともに高低圧の油が満たされて流れます。油圧機器にはさまざまな構成や分類があり、個々が色々な役割を持ちつつ、複雑な機構・構造やシステムを構成しています。
今回は、油圧機器の要素としてのアキュムレータ(油圧の脈動を押さえる装置)を解説します。
1.アキュムレータとは
蓄圧器のことをアキュムレータと言い、電気の充電式バッテリーと似た働きをします。電気においては電気のエネルギーを蓄電池に蓄えますが、液圧においては液体のエネルギーをアキュムレータに蓄えておき、必要に応じてそのエネルギーを放出します。
アキュムレータは、油や水、その他流体の回路に対し、流体のポテンシャルエネルギーを有効に働かせ、安全かつ経済的に高精度を維持するのに不可欠な要素です。ACCと略されることもあります。
2.アキュムレータの仕組み
アキュムレータは蓄圧気体の圧縮性を利用したもので、流体の圧力を蓄えて、瞬間的に脈動や衝撃圧などを吸収することができます。窒素ガスと流体の分離方法によって、ブラダ型、ピストン型があり、ブラダ型が最も広く使用されています。
容器内部にはゴム膜等に封入した...