清掃用具の保管や事故事例などを紹介します。
この写真は、クリーンルーム付属の二次更衣室に設置してある、清掃用具入れです。清掃用具は、色々な保管方法があると思います。この写真のものは、良くある、市販のロッカーで、元々は扉がある製品です。
掃除の度にガチャガチャとハンドルを回し、扉を開閉するので、金属同士の擦れにより、金属粉および塗装粉が発生し、落下、飛散します。人の靴底に付着し、拡散してしまうものもあるわけです。その先を考えると、防塵衣を着替えた時に、クリーンシューズの底に付着して、エアシャワーや、クリーンルームに持ち込まれるものもあるかも知れません。
その繰り返しで、ロッカー自体も変形し、扉が開かない、閉まらないということになります。そして強引に引っ張ったり、蹴とばして閉めるようになってしまうのです。元々、頑丈に作ってあるわけではないので、変形しやすいです。そして余計に劣化が進むのです。
この件とは別な話ですが、あるところの一般の事務室での事故事例を紹介します。
そこでも、同じようなロッカーに清掃用具を保管してあった。扉があったので、中の様子が見えない。扉を開けた瞬間、中のモップが倒れて来て、モップの柄で顔を打って怪我をしたという話があった。つまり微小災害が発生したということです。
3Sが悪かったのですが、中の様子が見えず、咄嗟に身構える、防御することができなかったのです。本人にしてみると、不意打ちを食らった、と言うことです。このようなことがあると、本人は一日嫌な思いを引きずりながら、仕事をすることになります。
このような例から、写真の現場では、ロッカーの扉を除去した。すると、扉の開閉がなくなるので、その動作や金属粉の発生もなくなるわけです。そして、中の状態が見えるので、いい加減な収納はできないので、きちんと整理、整頓をするようになります。
新潟県のある会社では、廊下に電話ボックスのように、四方が透明のロッカーがありました。
見学などのお客様も通行中に見えるので、奇麗に保管してありました。狭い中に、如何に取り出しやすく、仕舞いやすいかをみんなで考え、工夫したとのことです。それをルール化したのですが、そこまでやっておかないと、個人の裁量で、いろいろな収納方法が出てしまうわけ...
現場の責任者は、当然現場管理をしているでしょうが、その管理範囲の対象外との認識だと、たかが掃除用具と軽く考えてしまいます。ひとたび事故、災害が発生すれば、被害者も出るかも知れません。会社に報告もしなければいけないのです。事故の内容、大きさによっては労働災害です。小さなこと、ちょっとしたことにも目配りが必要です。
次回に続きます。