技術士第二次試験対策:論文を書くときの基本事項

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技術士

 

今回は、論文を書くときの基本的な事を解説します。

 

【特集】技術士第二次試験対策:技術士第二次試験に関する記事まとめページはこちら!口頭試験や論文対策などのポイントについての記事を紹介しています。

【この連載の前回へのリンク】

 

1.論文を書くときの基本事項

(1)段落に分けて書くときの基本を認識して書く

基本とは、段落が変わるごとに1字下げて文章を書く、すなわち、改行したら1字下げて文章を書くことです。段落とは、長い文章を内容などからいくつかに分けた区切りのことです。改行して段落を分けることは、「ここから、これまで書いてきた内容とは違った内容を書きます」ということを読み手に伝える意味もあります。したがって、例えば、「5行を目安に改行する」というような決まりはありません。書く内容を変えるとき改行します。

 

(2)1文は72文字以内を目安に書く(短い文を書く)

6月13日と6月17日の記事(短い文で解答を書く)の中で短い文を書くことを説明しました。1文(1つの文)は、答案用紙での3行以内、すなわち、72文字(24文字×3行)以内を目安に書いてください。

 

(3)誤字を書かない

6月21日の記事(正しい漢字を書く)を参照してください。

 

(4)用字用語を統一して書く

用字用語を統一して論文を書いてください。例えば、論文の中に「情報システムの安全対策の向上」と「情報システムのセキュリティ対策の向上」の2つが書いてあると、読み手は頭の中が混乱します。「『安全対策』と『セキュリティ対策』を同じ意味で使っているのか、あるいは、これらを違う意味で使っているのか」と思うからです。

 

(5)文体は常体を使う

文体は、「だ」・「である」(常体)を使ってください。常体で書くと、言い切る語尾になり文に説得力が出ます。

  • 課題は、津波発生時の避難方法を考えることである(常体)。
  • 課題は、津波発生時の避難方法を考えることです(敬体)。

 

(6)用言で終わる文を書く(体言止めの文を書かない)

用言とは、動詞、形容詞、形用動詞のことです。体言とは、名詞や代名詞のことです。つまり、体言止めの文とは文の最後が名詞や代名詞で終わる文のことです。例えば以下のような文です。

 

・課題は人材育成。

 

体言止めで文を書くと歯切れのよい文を書くことができます。しかし、論文では用言で終わる文を書いてください。公式な文は、用言で終わる文で書くからです。

 

・課題は人材育成である。

 

ただし、箇条書きの場合には体言止めで書いても構いません。

 

  • ①工事費の削減
  • ②工事に伴う騒音や振動の低減
  • ③転落事故防止などの工事の安全確保

 

(7)文法を守って文を書く(主語と述語が一致する文を書く)

主語と述語が一致する文を書いてください。ねじれ文を書かないでください。以下の文を読んでください。

 

・ラウンドアバウトの特徴の1つは、交差点の中心にある中央島の周囲を回るように車が通行する(×)。

   「ラウンドアバウトの特徴の1つは・・・通行する」では主語と述語が一致しません。

 

・ラウンドアバウトの特徴の1つは、交差点の中心...

技術士

 

今回は、論文を書くときの基本的な事を解説します。

 

【特集】技術士第二次試験対策:技術士第二次試験に関する記事まとめページはこちら!口頭試験や論文対策などのポイントについての記事を紹介しています。

【この連載の前回へのリンク】

 

1.論文を書くときの基本事項

(1)段落に分けて書くときの基本を認識して書く

基本とは、段落が変わるごとに1字下げて文章を書く、すなわち、改行したら1字下げて文章を書くことです。段落とは、長い文章を内容などからいくつかに分けた区切りのことです。改行して段落を分けることは、「ここから、これまで書いてきた内容とは違った内容を書きます」ということを読み手に伝える意味もあります。したがって、例えば、「5行を目安に改行する」というような決まりはありません。書く内容を変えるとき改行します。

 

(2)1文は72文字以内を目安に書く(短い文を書く)

6月13日と6月17日の記事(短い文で解答を書く)の中で短い文を書くことを説明しました。1文(1つの文)は、答案用紙での3行以内、すなわち、72文字(24文字×3行)以内を目安に書いてください。

 

(3)誤字を書かない

6月21日の記事(正しい漢字を書く)を参照してください。

 

(4)用字用語を統一して書く

用字用語を統一して論文を書いてください。例えば、論文の中に「情報システムの安全対策の向上」と「情報システムのセキュリティ対策の向上」の2つが書いてあると、読み手は頭の中が混乱します。「『安全対策』と『セキュリティ対策』を同じ意味で使っているのか、あるいは、これらを違う意味で使っているのか」と思うからです。

 

(5)文体は常体を使う

文体は、「だ」・「である」(常体)を使ってください。常体で書くと、言い切る語尾になり文に説得力が出ます。

  • 課題は、津波発生時の避難方法を考えることである(常体)。
  • 課題は、津波発生時の避難方法を考えることです(敬体)。

 

(6)用言で終わる文を書く(体言止めの文を書かない)

用言とは、動詞、形容詞、形用動詞のことです。体言とは、名詞や代名詞のことです。つまり、体言止めの文とは文の最後が名詞や代名詞で終わる文のことです。例えば以下のような文です。

 

・課題は人材育成。

 

体言止めで文を書くと歯切れのよい文を書くことができます。しかし、論文では用言で終わる文を書いてください。公式な文は、用言で終わる文で書くからです。

 

・課題は人材育成である。

 

ただし、箇条書きの場合には体言止めで書いても構いません。

 

  • ①工事費の削減
  • ②工事に伴う騒音や振動の低減
  • ③転落事故防止などの工事の安全確保

 

(7)文法を守って文を書く(主語と述語が一致する文を書く)

主語と述語が一致する文を書いてください。ねじれ文を書かないでください。以下の文を読んでください。

 

・ラウンドアバウトの特徴の1つは、交差点の中心にある中央島の周囲を回るように車が通行する(×)。

   「ラウンドアバウトの特徴の1つは・・・通行する」では主語と述語が一致しません。

 

・ラウンドアバウトの特徴の1つは、交差点の中心にある中央島の周囲を回るように車が通行することである()。

   「ラウンドアバウトの特徴の1つは・・・通行することである」となり、主語と述語が一致します。

 

常に、「今書いている文の主語は何か?」と考えて文を書いてください。

 

(8)「以上」と書く

論文の最後には「以上」と書いてください。「以上」の有無と採点結果は無関係です。しかし、「論文はここで終わり」ということを読み手に伝えるためにも「以上」と書いてください。

 

 

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この記事の著者

森谷 仁

「君の書く文書は、わかりにくい」と言われる技術者から、「君の書く文書は、わかりやすい」と言われる技術者へのステップアップ!

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