【次世代エネルギー車とものづくり 連載目次】
- 1. Hyundai NEXO試乗レポート
- 2. トヨタ ミライ試乗レポート
- 3. FCEVの販売数
- 4. Hyundai IONIQ5 試乗レポート
- 5. Hyundai IONIQ5 走行と機能
- 6. トヨタ bZ4X試乗
- 7. EV試乗比較 bZ4X vs IONIQ5
前回の次世代エネルギー車とものづくり(その4)に続き、Hyundaiの電気自動車 IONIQ5の試乗レポートです。今回は試乗車の走行特性、先進的なクルマならではの機能の体験報告となります。
1.Hyundai IONIQ5試乗ルート:東京湾一周
品川からアクアライン、京葉道を通っての東京湾一周コースでした。約125kmのコースです。
以下の写真は低速・高速旋回時の車体特性です。
高速
低速
しかし走行特性は何といっても動画のレポートがわかりやすいところですので、次のYouTubeをご覧ください。
- ロータリ旋回:https://youtu.be/RRPOyt8HCVs
- 一般道走行:https://youtu.be/d_vpbIhGEUY
- 高速走行レポート:https://youtu.be/UtAnAnFLYBM
2.Hyundai IONIQ5 充実の運転補助機能、セミ自動運転まで装備
(1)スマート・クルーズ・コントロール(高速道路走行補助2)
前車速度追従速度調整が可能なトヨタ車でいうところのレーダ・クルーズ・コントロールとほぼ同種の機能が搭載されています。さらにNaviと連動しており、カーブでの減速や流出路へとステアリングをサポートします。
(2)レーンキーピングアシスト
日産のプロパイロットと同様の機能です。手離しはNGとのことですが、ほぼほぼ手離しと同じ程度で強く確実に車線を保持しているようです。前述のスマートクルーズとの組み合わせで、おおむね自動運転とも言えそうです。万が一の際の前方衝突補助機能もあるので、ステアリングや速度を制御する必要が無く、運転はかなり楽になります。
(3)周辺監視機能
・ブラインドスポットビューモニター
速度計に映像が表示されるというもので、視線の移動も不要で便利な機能です。単にモニターするだけでなく、衝突の警告、さらには衝突回避の自動制御機能もあります。<IONIQ5 Blind monitor>
・ハンズフリーでリアドアが電動オープン
リアドアに接近するだけで、自動的にリアドアが開くという優れモノでした。リモコンキーをポケットに入れた状態で接近するとその接近を検知して自動的に開くというものです。実際の動作状況はビデオをご覧ください。<IONIQ5 リアドア非接触自動オープン>
・光るバンパー意匠
デザイン上の遊び心です。前照灯をONにすると、バンパーの上面がスリット状に光ります。<IONIQ5 バンパー照明>
これらの便利機能に関する詳細や動画:参照いただくと、より理解がふかまるでしょう。
https://www.tech-t.jp/hyundai-ioniq5-driving-2/
3.Hyundai IONIQ5 上級グレード“Lounge”の装備を体験
- 拡張現実ヘッドアップディスプレイ(AR HUD)
- 助手席からの後部座席電動スライド
- ビジョンルーフ(ルーフほぼ全域に渡る大型ガラスルーフ)
AR HUDはフロントガラスの先の空中に速度や道路標識が仮想表示されます。空中に表示が浮いていますので、人によっては酔いを感じそうです。ビジョンルーフは、大面積でものすごい解放感です。ドライバの頭上から後部座席の後ろまで広がっています。他に、助手席が電動シートとなり、ホイールアーチも塗装仕様となり、価格差30万円ほど。
Voyageが約520万円、Loungeが約550万円。
(1)パドルシフト
4段階の可変で、ステアリングのパドルで操作します。左で回生を強く(ガソリン車のエンジンブレーキ相当の制動が強く作動する)、右で弱くします。もっとも利きの良い設定は、i-PEDALというレベルで、この設定の場合はアクセルのリリースだけで減速し完全停止します。ブレーキペダルの操作が不要です。これは慣れるとかなり運転が楽かもしれません。i-PEDALで安全に停止させるためには十分な車間距離の確保が必要で、安全運転に寄与しそうです。回生も最大となりますので燃費も良くなります。運転モードは、ECO/NORMAL/SPORTSと切り替えます。SPORTSは怖いくらいの加速感です。高速への合流に便利です。
(2)フード見切りが特殊
エンジンフード(エンジンが無いからボンネットという表現がいいかも)の見切りが特殊です。普通は上面両サイドに見切りがありますが、IONIQ5は写真のように、側面に回り込み、ホイールアートとの境界が見切りとなっています。同時に、一般のクルマに比べて、フロントフェンダーがかなり小さな意匠です。ボンネットを開けると、小ぶりのトランクルームとなって...
(3)実用燃費は400km
カタログ上の走行距離は618kmですが、実用的にはその7,8掛け程度だそうです。おおよそ400kmとなります。なお、カタログ距離と実距離の関係はHyundaiだからではなく、どの車も同様の関係だそうです。
(4)2022年四半期で5万2000台販売
1-3月のグローバル販売台数は52,000台と報道されています。このペースですと年間20万台越えです。
実はこの車、Hyundaiの戦略的EVで3ブランドを発売している三つ子車です。
詳しい情報:ご参照ください。https://www.tech-t.jp/market_trend_e-gmp/
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