この記事の公開時では、令和5年度の技術士第二次試験まで5か月半弱になります。すでに受験勉強を始めている方も多いと思います。今回は「技術士第二次試験とコミュニケーションの関係」に関する内容です。
1.「技術文書=コミュニケーションの手段」(口頭試験の場合)
「“技術文書を書くこと”について考える(その1)」というテーマの記事の中で「技術文書=コミュニケーションの手段」と書きました。技術士第二次試験で書く答案(論文)も技術文書です。つまり、答案(論文)は、受験生と試験官との間のコミュニケーションの手段です。
筆記試験に合格すると口頭試験があります。口頭試験は「会話(言葉)を通した面接官とのコミュニケーション」です。面接官からの質問に対して明確に伝わる回答をすることで面接官との円滑なコミュニケーションが成立します。円滑なコミュニケーションとは質問に対する回答が面接官に明確に伝わることです。
例えば「技術士の受験の動機を説明してください」という質問に対して「技術士を取得し、社会資本の整備に一層貢献したいと考えました」のように簡潔に回答することで面接官との円滑なコミュニケーションが成立します。
2.「技術文書=コミュニケーションの手段」(筆記試験の場合)
ここで、技術士第二次試験での筆記試験を考えます。筆記試験も口頭試験と同じ考え方ができます。問題に対して明確な解答を書くことで採点者との円滑なコミュニケーションが成立します。ここでの円滑なコミュニケーションとは解答が採点者に明確に伝わることです。例えば、解答の要点(解答の主旨)が不明確だと円滑なコミュニケーションが不成立になることもあります。
円滑なコミュニケーションが成立する答案(論文)を書くためには次のように考える必要があります。
問題に対する解答が頭の中に浮かんでもそれをそのまま答案用紙に書き出すのではなく「頭の中ある解答をどのように書いたら採点者に解答が明確に伝わるか」を考えることです。口頭試験でも、頭の中にある回答をそのまま話したら円滑なコミュニケーションが不成立になることがあると思います。
筆記試験は「答案(論文)を通した採点者とのコミュニケーション」と考えてください。「解答をどのように書いたら採点者と円滑なコミュニケーショ...