◆VRIO分析とは
今回は事業戦略で活用されるVRIO分析を新商品開発の観点から解説します。
1.VRIO分析を新商品開発に活用
VRIO分析とは、企業の持つ資源を次の4項目に対して各視点から整理して、競争優位性を検討するフレームワークです。これは事業戦略に使われる手法ですが、新商品開発にも活用できます。新商品を導入する上で、4項目に対して評価をして競争優位性を評価します。
- V:Value:価値
- R:Rarity:希少性
- I:imitability:模倣困難性
- O:organization:組織
2.評価の仕方
①Value:価値
売上拡大やコストの低下に寄与できるか否かで評価します。
②Rarity:希少性
特定の設備に対して競合他社が参入できないか評価します。
③Inimitability:模倣困難性
競合他社が容易に模倣できないか否かで評価する。
④Organization:組織
経営資源が積極的に活用される組織かどうか評価します。
3.評価の判断と事例
- 4つの項目全てが備わっていれば、持続的競争優位(VRIO)とみなされます。
- 全てが評価されない場合は、競争劣位の判定となります。
- 経営資源に価値があるものの、他の価値がない場合は競争均衡(V)と評価します。
- 価値と希少性があるものの組織力がなければ、一時的競争優位(VR)と評価します。
【事例】
コンビニのコーヒーマシン製造メーカーを事例に考えてみましょう。
①Value:価値
コンビニエンスストアにほぼ導入されているので、コンビニ以外への導入戦略が必要です。スーパーなど、サービスエリア、公共施設など
品質がよいため、競合他社より若干導入コストが掛かかります。
②Rarity:希少性
ドリップに関して抽出方法に特許があり有意性があります。メンテナンスしやすい構造になっています。
③Inimitability:模倣困難性
コーヒーマシンは模倣できるが、そのおいしさにこだわり技術があります。