1.日常業務の中でのトレーニング
前回の記事の中で以下のことを書きました。
「解答の主旨を書き、その後に解答の主旨の説明を書くこと」は「内容が明確に伝わる技術文書の書き方・6つのルールと18の書き方」の中の「書き方1:要点を冒頭に書く」に基づく考え方です。
日常業務の中で「解答の主旨を書き、その後に解答の主旨の説明を書く」ためのトレーニングができます。このトレーニングとは、書き方1注)を使って技術文書を書くことです。「内容の要点=解答の主旨」「内容の要点の説明(要点の説明)=解答の主旨の説明(主旨の説明)」だからです。
注):「書き方1:要点を冒頭に書く」とは、内容に関する要点を冒頭に書き、この要点に関する説明をその後に書くことです。
例えば、業務報告書の中で業務の目的を書くことを考えます。書き方1を使って書くと以下のようになります。
1.検討目的
本業務の検討目的は○○橋の改修設計である。○○橋は、国道△△号線を横断するRC床版橋であるが、現在の橋梁幅員は、国道△△号線の道路改良事業に伴う道路拡幅条件を満足していない。また、当該橋梁の架設時期が昭和××年のため、当該橋梁は、現状の設計基準に適合した構造ではない。そのため、構造上および安全上から当該橋梁の改修が必要である。
ここで、太字の箇所が内容の要点です。アンダーラインの箇所が要点の説明です。また、これらの書き方は、「内容の要点(太字の箇所)を冒頭に書き、その後に要点の説明(アンダーラインの箇所)を書くこと」です。
すなわち、「検討目的の要点(内容の要点)は何か」「検討目的の要点の説明(内容の要点の説明)は何か」と考えて「1.検討目的」を書きます。この書き方は、前回の記事の中で解説した「キャッシュレス決済のメリットについて2つ述べよ」の解答と同じ考え方の書き方です。
このように、業務の中で書き方1を使って技術文書を書くことで「解答の主旨を書き、その後に解答の主旨の説明を書く」ためのトレーニングができます。
次回に続きます。...