1.清富の反対語
今回は前に述べた「清富」の言葉を、私なりに定義して言葉の理念を解説したいと思います。そのためには反対語を考えるのが有効です。「清富」の反対語は「清貧」ではなく、「資本主義的拝金主義」なのです。つまり格言で云えば「金は天下の回りもの」であり、与えた者に回帰する原則があるということです。
「清富」は、富が必要とする所に、必要な時に循環する「キャッシュ・フロ-」のことなのだと気がついたのです。ただし、現実の経済・経営活動の中でどのように実戦するのか? その回答がないままに、この修羅場の世間で、今まではどのように考働し、生きれば良いのかの指針(行動理念)が揺らいでいたのだと思います。
今こそ「清富」を心に刻んで、「世のため人のため」の経営を進める時です。
2.清富を水の流れにたとえる
「清富」を地球における「水」の循環に例えて述べてみます。「水」の多くは宇宙からもたらせたと、考えられています。それは、地球の水を生み出す能力での計算では、うまく説明できないからです。
水は「液体」として、河や湖や海に存在します。地下水でも存在しますが希少です。そして、「気体」となり、蒸気となり雲や湿気となり空気中に漂います。さらに雨となり雪となり雹等となって、地上にそそぎ、川となり海に向かいます。川でも、海でも氷「固体」となって温度の調整とミネラルを運んで、溶けて「水」となり生命をはぐくみます。
この水の循環(液体・気体・固体)を阻害したり断絶すれば、生命の循環は滞る事になります。そして、両極の深層海流と七つの海の海流(これなくば、海は死に地球も死に至ります)の存在を大いなる力と観じています・・・
「富」も同じように循環していますから、この循環を妨げたり、止めたりすれば、経済活動は腐敗から破壊・消滅に及ぶのがグランドデザインというものです。そのほとんどの原因は、私欲「吾のみ良し」とする、利殖や投機であり、我欲なのだと感じています。こうした行為は、持続出来ない事は絶対であることを歴史が証明しています。
この原点回帰を、地域における経済活動を通しながら、家庭や地域活動の中で実践して「世のため・人のため」になる企業・団体・個人となることをめざすのが理念経営というわけです。
3.理念経営がめざすこと
今起きている、事件的多くの事柄の中で人間らしい生き生きとした地域活動とは、
1)一人一人の個性が生かされる働きがい、生きがいの自己実現
2)地域コミュニティ内の社会問題(環境・雇用・介護等)の解決
3)地域サイズに適合した、新たな経済基盤の構築と社会参加機会の創出と自立的運営の維持
4)特長ある地域文化の継承や新たなる文化の創造
であると、鳩ヶ谷の街おこしと、3.11の復興支援の経験を通過し、今年のブラジル...