各種包装用フィルム生産工場で、総務のスタッフです。総務が主体となり作成したBCPですが、地震想定・パンデミック想定は用意してありますが、河川の洪水、ゲリラ豪雨を想定したものは、作成できていません。
先日の台風で、近隣の協力工場が浸水で壊滅的な被害を受けたため、河川の洪水、ゲリラ豪雨を想定したBCP作成の必要性を感じています。
すでに別想定のBCPを作成済みで、あらたに河川の洪水、ゲリラ豪雨を想定したBCPを作成する場合の留意点をご教授ください。
(これは事務局が作成した架空の、しかし十分想定される質問です)
BCPの専門家ではありませんが、中小企業支援のなかでアドバイスした事項を中心に回答させて頂きます。
BCPは地震などの突発的なものに限定しがちですが、ご質問のような河川氾濫や浸水など短時間で変化し、ある程度想定ができる事前災害にも備えておく必要があります。つまり様々な環境変化に対応し、その状況に応じてBCPの発動基準を明確にしておく必要があるのです。
河川氾濫や浸水などのBCP対策としては、次の三点が考えられます。
(1)早期準備
突発的な自然災害ではないため、警戒段階から準備を始めることが必要です。 例えば、電子機器や重要資産の高所への移動、データ類のバックァツプ、暴風雨対策などは早い段階から準備を始めましょう。
(2)情報収集手段の確保
短時間で状況が変化しますので、確実な情報収集手段を確保しておくことが必要となります。 例えば、国土交通省の発表やホームページ、気象庁の避難準備情報、テレビやラジオなどから情報収集するようにしましょう。
(3)BCP発動基準の明確化
避難勧告や指示が出たら、避難や従業員の帰宅は前倒して行うことが必要ですが、どのような時にどのように対応するかのBCPの発動基準を明確にしておきましょう。 例えば既に、氾濫や浸水が始まっているような場合は、従業員を無理に帰宅させることなく垂直避難など状況に応じた対応を行ってください。
以上の点を参考にBCPを作成し、環境変化に応じてBCP発動の優先順位を変更するような仕組みを構築しておいてください。
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