データサイエンス系プロジェクトを成功裏に納めるための人やチームの連携、チームがどのように連携していくのかに焦点を当てたとき重要になるのが、次の3点です。
- ステークホルダーアップデート(Stakeholder Updates)
- リファインメント(Refinement)
- レトロスペクティブ(Retrospectives)
今回は「データサイエンス系プロジェクトの重要なキーであるステークホルダーアップデート」というお話しをします。
【目次】
1. ステークホルダーアップデート(Stakeholder Updates)
2. リファインメント(Refinement)
3. レトロスペクティブ(Retrospectives)
【この連載の前回:(その272)複数の季節変動成分のある時系列データへのリンク】
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1. ステークホルダーアップデート(Stakeholder Updates)
ステークホルダーアップデートは、ステークホルダーの要望や意見、思いなどを正確に把握する機会になります。それにより、各タスクの優先順位が変わったり、目指す方向が方向修正されたりします。
ステークホルダーとは、そのプロジェクトの利害関係者で、会社のエライ人やマネジャー、それを売るセールスパーソンや、それを活用する現場の人など様々です。ステークホルダーアップデート(Stakeholder Updates)とは、そのデータサイエンス系プロジェクトへの理解がアップデートする、ということです。
個々のデータサイエンティストのレベルをアップデートするために、アルゴリズムやコードそのもの、そしてそれぞれの基礎となる概念の学習に時間を割くことはよくあることです。個々のデータサイエンティストのレベルがアップデートするように、ステークホルダーもアップデートし続けるのが理想です。そうしないと、そのプロジェクトが日の目を見ること困難です。
ステークホルダーへアップデートするための説明をするとき、例えば以下の3点に気をつけましょう。
- 説明の前後(Before & After)を明確にする(現状〇〇で、説明をして〇〇の状態になってもらいたい)
- プロジェクトをWhat・Why・How・Results(何をしているのか、なぜしているのか、どのように解決しようとしているのか、その結果は何か)などのフレームで簡潔に説明する(理解を妨げる技術的な説明は避ける)
- 説明時にデータサイエンティストしか分からないような用語は避ける(もしくは、言い換える)
ちなみに、What・Why・How・Results(何をしているのか、なぜしているのか、どのように解決しようとしているのか、その結果は何か)以外の説明フレームワークでも問題ございません。例えば、STAR(Situation・Task・Action・Result)などです。
単に、ステークホルダーをアップデートするだけではなく、このステークホルダーアップデートのための説明が、実はデータサイエンスプロジェクトのチーム内の連携を強化します。
他者に説明するための作業が、チーム内の共通理解を強化するからです。チーム内のデータサイエンスのレベルは通常バラバラです。分かったつもりの人もいます。勘違いしている人もいます。人によって理解力も異なります。それを解決手段になるからです。
2. リファインメント(Refinement)
これは「見直し」についてです。
プロジェクト終了後の振り返り今後に活かすための「見直し」ではなく、プロジェクト中の見直しで、例えば毎週実施するようなものです。計画と睨めっこしながら見直しを実施します。反省会をするのではなく、週単位であれば次週誰が何をすべきなのかなどを検討します。
例えば、次のようなことを、各タスクに対し明確にします。
- その週に集中して取り組むことは何か
- 各タスクの重要度や優先順位、求められるレベル...
はどうなっているのか
そのタスクを誰が実施するのか(レベル的に問題ないか)
似たようなタスクを実施した人はいないか(誰の助力が必要か)
冗長にならないようにどうすればいいか
タスクをより効率的にできないか
3. レトロスペクティブ(Retrospectives)
これは「振り返り」についてです。
これは通常、月1回、四半期に1回の間隔で、過去に発生したいくつかの状況について徹底的に議論するものです。単に振り返るのではなく、例えば以下のようです。
- 誰がうまくいったか?
- うまくいったことは?
- 改善すべきことは?
- 新たな可能性は?
- 次回のレトロスペクティブまでのアクションアイテムは?
ポイントは、起こったことの網羅性です。
次回に続きます。