人体センシング技術とは?~ひとと情報の連動・融合へ~

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人体センシング


人体センシング技術とは、人体の物理的または生化学的な各種の状態を計測し、情報技術で扱えるデータにして機器やシステムとの連動・融合を図る技術で、ヒューマンインターフェースのさらなる進化のために欠かせないものとなってきています。この記事では、人体センシング技術の応用分野の広がりについて紹介します。

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【目次】


    1.人体センシング技術とは?
     ~人間の身体や感覚・感情と情報技術を結び付ける!~

    人体センシングとは、私たちの身体や感覚・感情と情報技術を結び付ける技術領域です。
    現代ではIoTという言葉で代表されるように、情報技術がさまざまなものごとと組み合わされて社会に溶け込み、私たちの生活を大きく変えようとしています。その中でも人間そのものと情報技術の融合は新たな成長分野として注目されており、さまざまな研究開発のアプローチがなされています。人体という複雑な対象を取り扱い、また高い安全性と身につける物としての使いやすさが要求されるため、幅広くかつ高度な技術検討が必要となります。

    2.デジタルヘルスケアの展開

    なかでも医療・ヘルスケア分野での研究開発は広く進められており、心電・心拍、筋電、体温、酸素飽和度、血圧、血流、血糖値、呼気成分などのセンシングにより、「デジタルヘルスケア技術」として、疾病の早期発見・予防、治療の促進、日常生活の質の向上、看護・介護の品質や安全性の向上などのスマート化を目指しています。
    この分野ではスポーツ・フィットネス支援にも応用が進んでいます。既にスマートウォッチのセンシング機能をトレーニングに活用している方も多いのではないでしょうか。

    3.人間の行動や感覚・感情に踏み込んだ応用

    自動車をはじめとした輸送機器・システムの運転支援を目的とした人体センシングも注目されています。画像情報による視線や姿勢・動作のセンシングをはじめ、心拍、脳波、身体動作など運転者の状態をセンシングして車載システムと連動させることで、居眠り・漫然運転の防止など安全性向上を実現しようとしています。
    また人体の物理的・生化学的状態をセンシングするだけではなく、それらを感覚や感情と結び付けて評価する「ブレイン・マシン・インタフェース(BMI)」「ブレインテック」分野の研究開発も進められています。心理学や精神医学の分野をはじめ、室内・車内など生活環境の最適化、製品開発マーケティングなどまで幅広い応用が期待できます。

    4.人体センシング技術の課題

    これら人体センシング技術の課題として、
    1) 人体に負担をかけずに外側からセンシングする非侵襲性の確保
    2) 小型軽量かつ身に付けていることを意識させないウェアラブル性の向上と、それに対応したセンサの動力源の選定
    3) 得られたデータを機器・システムに伝え、活用するための安定した通信手段の確立
    などが挙げられます。
    これらの課題を解決するために、計測や通信、デバイスなどの電子技術をはじめ、機械技術化学技術応用物理技術、材料技術、加工技術、さらには人間工学や工業デザインなど、さ...

    人体センシング


    人体センシング技術とは、人体の物理的または生化学的な各種の状態を計測し、情報技術で扱えるデータにして機器やシステムとの連動・融合を図る技術で、ヒューマンインターフェースのさらなる進化のために欠かせないものとなってきています。この記事では、人体センシング技術の応用分野の広がりについて紹介します。

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      1.人体センシング技術とは?
       ~人間の身体や感覚・感情と情報技術を結び付ける!~

      人体センシングとは、私たちの身体や感覚・感情と情報技術を結び付ける技術領域です。
      現代ではIoTという言葉で代表されるように、情報技術がさまざまなものごとと組み合わされて社会に溶け込み、私たちの生活を大きく変えようとしています。その中でも人間そのものと情報技術の融合は新たな成長分野として注目されており、さまざまな研究開発のアプローチがなされています。人体という複雑な対象を取り扱い、また高い安全性と身につける物としての使いやすさが要求されるため、幅広くかつ高度な技術検討が必要となります。

      2.デジタルヘルスケアの展開

      なかでも医療・ヘルスケア分野での研究開発は広く進められており、心電・心拍、筋電、体温、酸素飽和度、血圧、血流、血糖値、呼気成分などのセンシングにより、「デジタルヘルスケア技術」として、疾病の早期発見・予防、治療の促進、日常生活の質の向上、看護・介護の品質や安全性の向上などのスマート化を目指しています。
      この分野ではスポーツ・フィットネス支援にも応用が進んでいます。既にスマートウォッチのセンシング機能をトレーニングに活用している方も多いのではないでしょうか。

      3.人間の行動や感覚・感情に踏み込んだ応用

      自動車をはじめとした輸送機器・システムの運転支援を目的とした人体センシングも注目されています。画像情報による視線や姿勢・動作のセンシングをはじめ、心拍、脳波、身体動作など運転者の状態をセンシングして車載システムと連動させることで、居眠り・漫然運転の防止など安全性向上を実現しようとしています。
      また人体の物理的・生化学的状態をセンシングするだけではなく、それらを感覚や感情と結び付けて評価する「ブレイン・マシン・インタフェース(BMI)」「ブレインテック」分野の研究開発も進められています。心理学や精神医学の分野をはじめ、室内・車内など生活環境の最適化、製品開発マーケティングなどまで幅広い応用が期待できます。

      4.人体センシング技術の課題

      これら人体センシング技術の課題として、
      1) 人体に負担をかけずに外側からセンシングする非侵襲性の確保
      2) 小型軽量かつ身に付けていることを意識させないウェアラブル性の向上と、それに対応したセンサの動力源の選定
      3) 得られたデータを機器・システムに伝え、活用するための安定した通信手段の確立
      などが挙げられます。
      これらの課題を解決するために、計測や通信、デバイスなどの電子技術をはじめ、機械技術化学技術応用物理技術、材料技術、加工技術、さらには人間工学や工業デザインなど、さまざまな固有技術を組み合わせた技術開発が進められています。

      5.「人体センシング」技術の普及促進には?

      私がいつも行く家電量販店ではエスカレーター前の目立つ場所にVRグラスのコーナーがあり、手頃な価格のスタイリッシュなVRグラスがたくさん並べられています。
      近い将来のVRグラスは各種の人体センシング機能組み込みが一般的になり、またさまざまなウェアラブルセンサも組み合わされて、人の体や心の状態とリアルタイムで連動するゲームなどのエンタテインメントを体験できるようになることが予想されます。
      これまで各種情報技術の普及局面では、エンタテインメント分野への応用が重要な役割を果たしてきました。人体センシング技術もそのようにして広まっていくのでは?と考えています。

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      この記事の著者

      嶋村 良太

      商品企画・設計管理・デザインの業務経験をベースにした異種技術間のコーディネートが得意分野。自身の専門はバリアフリー・ユニバーサルデザイン、工業デザイン、輸送用機器。技術士(機械部門・総合技術監理部門)

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