◆会議でうまく説明する方法(その1)
「内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その44)」の中で「会話をすることも技術文書を書くこともコミュニケーション」と解説しました。会議で説明することも「会話」です。そこで「会話をすることも技術文書を書くこともコミュニケーション」という視点に基づき、会議でうまく説明する方法を「内容が明確に伝わる技術文書の書き方」の考え方を使って解説します。
1.内容が明確に伝わるように説明する
会議でうまく説明するうえで重要なことは、内容を説明するのではなく内容が“明確に”伝わるように説明することです。“明確に”が重要なのは技術文書を書くことと同じです。
会議でうまく説明する方法を、「内容が明確に伝わる技術文書の書き方の3原則」と「6つのルールと18の書き方」の考え方を使って解説します。
2.書き方の第1原則を使う
「内容が明確に伝わる技術文書の書き方の3原則」の中でまず参考になるのが書き方の第1原則です。「内容が明確に伝わる技術文書の書き方の3原則」での第1原則は「書き手と読み手の違いを認識する」です。この第1原則を会話に当てはめると「話し手と聞き手の違いを認識する」になります。
書き手とは「知っている人」です。読み手とは「知らない人」です注1)。会話では、話し手とは「知っている人」聞き手とは「知らない人」です。
会議の中では、会議で説明する人(話し手)は「知っている人」説明する人以外の会議の出席者(聞き手)は「知らない人」です。会議で話すことを話し手は知っていますが聞き手(出席者)は知りません。
注1):「内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その2)」参照
このため、会議では、聞き手の立場(知らない人の立場)に立ち「この内容をどのように説明したら内容が明確に伝わるか」を考えて話す必要があります。「この内容をどのように説明したら内容が明確に伝わるか」を考えるとき「自分が聞き手だったらどのように説明してほしいか」と考えることで説明方法がわかります。
例えば「ダラダラ説明しないでほしい」「説明内容の概要を初めに説明してほしい」「会議のポイントや結論を初めに説明してほしい」「決めたことに対する根拠を説明してほしい」のようなことです。書き方の第1原則...
次回に続きます。
【参考文献】
- 森谷仁著、「マンガでわかる技術文書の書き方」、オーム社、令和4年3月25日