【実践編 第4章目次】
第4章 標準作業で作業のムダを取る
1. 標準作業で作業のスタンダードを設定する
2. 動作分析で作業のムダを取る
3. 自働化と人離しで作業者の負担を減らす
4. 生産を守る保全・安全の取り組みを進める
5. 「目で見る管理」で現状をオモテ化する←今回の記事
【この連載の前回:流れ生産:ジャスト・イン・タイム生産(その81)へのリンク】
5. 「目で見る管理」で現状をオモテ化する
問題解決のためには、オモテ化が前提。問題が目に見える職場をつくる。
前回の流れ生産:ジャスト・イン・タイム生産(その81)目で見る管理に続けて解説します。
(3)作業の「目で見る管理」
①アンドン
現場のリーダーである班長や係長は、作業者や機械が正常に稼働しているかを常に把握しなければなりません。職場で発生した異常を、班長や係長にただちに知らせるための表示灯をアンドンといいます。
②かんばん
作業指示をしたり、部材・仕掛り品・製品などの管理のために、それぞれのモノに付ける表示板。引っ張り生産を維持し、JIT生産を運用するための道具として使います。部材を引き取るための「引き取りかんばん」と、作業指示としての「仕掛けかんばん」があります。
③標...
標準作業を管理するために、通常、 2票を対にして現場に掲示します。「標準作業組合せ票」は、生産における人・モノ・機械の組み合わせを時間的要素を中心に分析するための帳票で、「標準作業票」は、設備レイアウトと人動線を中心に分析するための帳票です。
④多能工マップ
作業群の各工程における作業能力を評価し、かつ多工程が持てるような訓練計画を示した表のことです。
(4)工程の「目で見る管理」
①生産管理板
ラインにおける生産進度を知らせるための表示板。生産予定数と実績数を示し、停止原因、稼働状況などを記入します。これにより、現場のリーダーは生産の進捗状態を把捉し、対応します。
②さらし首
製造現場で、不良を戒めるための掲示板。不良の現品を不良の現品を不良の種類別に並べて、作業者に注意を喚起するのが目的です。
③ミス防止板
不良防止を目的とする、作業者の自主管理による掲示板です。
【出典】古谷誠 著 『会社を強くする ジャスト・イン・タイム生産の実行手順』中経出版発行(筆者のご承諾により連載)