有線制御していた機能を無線化するには、機械の操作を無線化するとは

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有線制御していた機能を無線化するには、機械の操作を無線化するとは

 

今回のテーマを別の言い方にすれば「機械の操作を無線化してケーブルをなくすにはどう考える」と言えます。つまり、皆さんの身の回りで、音楽を聴くヘッドフォンがワイヤレスになったのと同じことです。今の世の中では無線操作や通信機能はほとんどの装置や機器では当たり前に備わっています(子供のおもちゃにも!)。しかし、ごくまれに、無線や通信の機能がついていないものがあります。または、通信機能はついているけどケーブルでの有線であり、無線では無いというものもあります。そこで、有線だったものを無線にするのはどう考えればよいか?という疑問にお応えします。

 

【目次】

 

1. そもそもなぜ通信機能なのか

「通信」とは信号が通じると書きます。(言葉あそびですが、通心:心が通じる とも書けます)

 

例えば、自宅の玄関にある呼び鈴、ドアフォンですが、玄関先にいる来訪者が家内の人へ来訪したことを伝えることができますし、「どこそこのだれべえ」と名乗れます。外から来たことを知らせる呼び鈴ボタンを押したことにより電気「信号」となって家の中の人にピンポンと鳴って「通じさせる」ことができました。

 

別の例で言えば、どこかの学習教室とかが、保護者に向けて教室の様子や連絡事項を伝えるのも「××通信」とか言いますね。その意味では、教室から家庭に向けて情報を通信しているとも言えます。このように離れたところに何らかの情報(来訪したこと。教室の様子)を伝えることを通信と呼んでいます。

 

通信とはどんな手段であれ何らかの情報が伝わることを言います。

 

では、もう少し機械に近づけた話にします。自転車のペダルをこげば後輪がチェーンを経由して回ります。これはペダルをこぐ力が後輪に伝達されています。普通は通信とは言わず、動力の伝達と言います。しかし物理的な運動エネルギーを信号と置き換えれば力が伝達されている点では、広義の意味では通信とも言えると思います。

 

話がそれましたが、このように何らかの信号(情報や力)が伝達されて離れたものに伝えることができます。情報通信で物理的な動作としては糸電話がわかりやすい例です。音の振動が糸に伝わり、離れたところで音が鳴ります。

 

さて、この離れたところに信号を伝えるのには、リモコンでテレビやエアコンを操作することもあります。これが通信機能と言われるものになります。リモコンのボタン情報から、テレビのチャネルを変えたり、音量を変えたりできます。複雑な動きをするものの代表例では、パソコンを操作するときのマウスなどがあります。

 

今はワイヤレスマウスが良く使われますが、ケーブル付きのマウスもあります。2000年頃はケーブル付きマウスが当たり前でした。このようにマウスで操作した信号をパソコンに伝えるのも通信です。マウスを上下左右に動かしたり、クリックしたりして操作情報をパソコンに伝えています。

 

このように、何らかの意思表示を伝えるために通信というものが使われ、その手段として通信機能を有することになります。

 

2. 有線と無線の違い

先のテレビのリモコンやエアコンのリモコンでは、今はケーブルに繋がっていなく、赤外線という光の一種でリモコン情報を伝えています。1980年代の昔は、家庭用エアコンのリモコンはケーブルで繋がっていました。テレビと違って高いところにあったので操作するものが低い位置にないと不便でした。テレビは普通手の届くところにあるのでケーブルリモコンは逆に邪魔なのであまり見かけませんでした。

 

昔は有線で操作するというのが普通でした。そのため、今でも無線が届かない場所などでは有線でのリモコンやコントローラになります。例えば自動車での運転するためのコントロールは全て有線です。これは無線信号が自動車内に届かないのもありますが、届くかどうかわからない様なところには操作器があっても急な操作、例えばブレーキを踏んで、バックライトが付くなど急な動作には確実な情報伝達が必要です。そういう場所に有線が使われます。

 

逆に無線が使われるのは、一回で信号が伝わらなくても、再度やり直しても大丈夫な状態(危険ではない状態)で使われます。テレビのリモコンでもエアコンのリモコンでも一回押して動かないときは、もう一回やり直しますね。そういう時に使われます。

 

このように、有線では確実に操作する、無線では確実でなくても便利を優先にする、という具合で使い分けると考えるとわかりやすいと思います。有線とするか無線とするかの基本概念としては、その様に考えてよいと思います。

 

3 .無線の便利さはどこにある

前述したように、有線、無線は確実性を基本概念と考えて使い分けます。しかし、そうは言っても、有線だとケーブルが周りにあって邪魔です。そうすると、ケーブルを無くして、無線化したくなります。

 

また、自動車の様に道路を走行している時に何かのケーブルが繋がっているなどはあり得ないことです。逆に電車はレールの上を走行し、送電線やレールから動力(モータ等)を動かすための電源を供給されています。自動車はレールとは関係なく、どこでも行けるように動力とそのための燃料タンクがあります。対して、電車は送電線から電気をもらいます。電車の例は通信とは別の考えですので、今回は対象にしません。

 

さて、本題に戻します。どんな機能を無線にすると便利か?これは非常に短絡的な考えだと、ケーブルが邪魔、持ち歩く、そもそもケーブル接続できない、などが考えられます。

 

例えば、海上に浮かんでいる船舶にケーブルつなげられるでしょうか、空を飛ぶ航空機にケーブルがつなげられるでしょうか。遠くに行こうとしている乗り物にあり得ないですね。このように遠くのところと何らかの情報伝達することから、無線通信は生まれています。その意味は、離れていてもつながるようにするための手段として無線機能を使うと言えます。そう考えると、無線化というのは場所を選ばず、ケーブルをつかって物理的につなげるなどの準備なしで使用できる点が有利なことになります。

 

これが、無線化とする利点になり、離れて使う、煩雑なケーブルがない、周りがスッキリするなど、他にも利点はたくさんあると思います。ここまでは、誰もが考える便利な点です。

 

4. 無線通信でできること

昔から無線でやっていることと言えば、電波を使った場合で、電話のコードレスフォン、携帯電話などの無線通信装置です。電波を使わないものもあります。テレビ、エアコンのリモコンは赤外線という光の一種を使います。コードレスフォンでは音声信号を無線で通信させ、テレビのリモコンはチャンネルや音量を変える信号を無線伝送します。

 

無線は、音声通話はもちろんWiFiをつかったインターネットなどに使われるのが家庭用として汎用的に使われていてわかりやすいです。スマホは身近な無線通信装置で、音声もインターネットもできます。その他にスマホをリモコン装置として、遠隔制御で家庭用のエアコンの電源やお風呂の運転もできますし、玄関ドアの施錠とかも最近の流行りです。IoT(Internet of Thing:もののインターネット)と言われる機能は、今や無線でできるようになっています。

 

このように、昔はトランシーバで、もしもしハイハイだけでしたが、今ではIoTによりスマホでの遠隔操作までできるようになりました。

 

ところで、通信というのは送信と受信でセットです。無線通信で使われている受信信号は、ザックリ言うと1Vの100万分の1の電圧の微弱信号です。もちろん電波を発信する側ではもっと電力は大きいです(家庭用では大体10mW程度です)。プロ用の電波発射装置やテレビ放送用では、100kWなどの大電力のものもあります(大電力とするのは、電波を遠くに届けるためですが)。そのため、通話信号、制御信号程度が情報伝送することが一般的です。

 

ところが、最近では、電源を無線で送ってしまおうという技術まで出てきました。いわゆる無線給電です。これは、コードレスで電源を機器に供給するというものになります。この技術は無線には違いありませんが、今までの制御信号を伝送するのとは少し異なります。

 

これからの技術になりますが、現在注目されている用途としては、電気自動車の充電があります。音声や制御だけでなく電源電力も無線で送ってしまおうと考えられています。

 

5. 無線化のためにはどういう観点が必要か

これについては、恐らくどんな人も考えると思います。ケーブルやコードがあるのはハッキリ言って邪魔ですが、ケーブルで繋がっているものをそう簡単に無くせません。そこで、ケーブルの代わりになるものが必要になります。それが「無線機」となります。単純な図で表すと以下の様なポンチ絵になります。
(無線機 送信機→受信機 に信号が伝わる)

 

電気電子技術

 

つまり、有線の代わりになるものが必要という事です。ケーブルが途中で繋がっていない部分を別の手段でつなげるという事です。有線の世界と無線の世界は別の世界と考えてもらっても良いです。有線は有線同士でお話ができて、無線では無線同士でお話しできます。もちろんそれぞれの世界では常識が違うので、有線同士でも同じコトバ(規則、プロトコルと言われます)で繋がります。

 

無線も同じです。簡単な例で言うと、スマホは通常の携帯電話回線同士ではお話しできます。しかし、LINE電話とは繋がりません。当然LINE電話同士で繋がります。当たり前と思いますが、これは非常に重要な概念です。同じ様に口でコトバを発したとしても、それが日本語と英語では通じません。携帯電話とLINEが通じないのと同じです。同じ規則で同じ常識でお話ができます。

 

なので、無線化するには、信号を発する側と受ける側では同じ規則でなければなりません。

 

身近な例では、パソコンとワイヤレスマウスは同じ規則で通信しています。この場合は、BlueToothという通信規格を同じ規則として適用することで、どんなパソコンでもどんなマウスでも使うことができます。ただし、まず最初に「私とあなたは繋がりますよ」ということをお互いに認識することで使用することができます。これをBlueToothでは「ペアリング」と呼んでいます。

 

また、無線の場合はその信号がお互いに届く必要があります。有線で言えば電線の長さが十分であることです。無線は見えないためにどこまで届くのかわかりません。どこまで届いているかは、専用の計測器などを使えば見える化できます。

 

このように、無線化する観点としては「全ての繋げるための規則をそろえること」と「無線信号が通じること」が重要なことになります。これらができて初めて、伝送速度を上げる、伝送量を多くするなどの機能性能を向上させたりすることができるようになります。

 

6. まとめ

長々と記述しましたが、通信機能というものの目的と利用方法を知ったうえで、何に適用するかを、...

有線制御していた機能を無線化するには、機械の操作を無線化するとは

 

今回のテーマを別の言い方にすれば「機械の操作を無線化してケーブルをなくすにはどう考える」と言えます。つまり、皆さんの身の回りで、音楽を聴くヘッドフォンがワイヤレスになったのと同じことです。今の世の中では無線操作や通信機能はほとんどの装置や機器では当たり前に備わっています(子供のおもちゃにも!)。しかし、ごくまれに、無線や通信の機能がついていないものがあります。または、通信機能はついているけどケーブルでの有線であり、無線では無いというものもあります。そこで、有線だったものを無線にするのはどう考えればよいか?という疑問にお応えします。

 

【目次】

 

1. そもそもなぜ通信機能なのか

「通信」とは信号が通じると書きます。(言葉あそびですが、通心:心が通じる とも書けます)

 

例えば、自宅の玄関にある呼び鈴、ドアフォンですが、玄関先にいる来訪者が家内の人へ来訪したことを伝えることができますし、「どこそこのだれべえ」と名乗れます。外から来たことを知らせる呼び鈴ボタンを押したことにより電気「信号」となって家の中の人にピンポンと鳴って「通じさせる」ことができました。

 

別の例で言えば、どこかの学習教室とかが、保護者に向けて教室の様子や連絡事項を伝えるのも「××通信」とか言いますね。その意味では、教室から家庭に向けて情報を通信しているとも言えます。このように離れたところに何らかの情報(来訪したこと。教室の様子)を伝えることを通信と呼んでいます。

 

通信とはどんな手段であれ何らかの情報が伝わることを言います。

 

では、もう少し機械に近づけた話にします。自転車のペダルをこげば後輪がチェーンを経由して回ります。これはペダルをこぐ力が後輪に伝達されています。普通は通信とは言わず、動力の伝達と言います。しかし物理的な運動エネルギーを信号と置き換えれば力が伝達されている点では、広義の意味では通信とも言えると思います。

 

話がそれましたが、このように何らかの信号(情報や力)が伝達されて離れたものに伝えることができます。情報通信で物理的な動作としては糸電話がわかりやすい例です。音の振動が糸に伝わり、離れたところで音が鳴ります。

 

さて、この離れたところに信号を伝えるのには、リモコンでテレビやエアコンを操作することもあります。これが通信機能と言われるものになります。リモコンのボタン情報から、テレビのチャネルを変えたり、音量を変えたりできます。複雑な動きをするものの代表例では、パソコンを操作するときのマウスなどがあります。

 

今はワイヤレスマウスが良く使われますが、ケーブル付きのマウスもあります。2000年頃はケーブル付きマウスが当たり前でした。このようにマウスで操作した信号をパソコンに伝えるのも通信です。マウスを上下左右に動かしたり、クリックしたりして操作情報をパソコンに伝えています。

 

このように、何らかの意思表示を伝えるために通信というものが使われ、その手段として通信機能を有することになります。

 

2. 有線と無線の違い

先のテレビのリモコンやエアコンのリモコンでは、今はケーブルに繋がっていなく、赤外線という光の一種でリモコン情報を伝えています。1980年代の昔は、家庭用エアコンのリモコンはケーブルで繋がっていました。テレビと違って高いところにあったので操作するものが低い位置にないと不便でした。テレビは普通手の届くところにあるのでケーブルリモコンは逆に邪魔なのであまり見かけませんでした。

 

昔は有線で操作するというのが普通でした。そのため、今でも無線が届かない場所などでは有線でのリモコンやコントローラになります。例えば自動車での運転するためのコントロールは全て有線です。これは無線信号が自動車内に届かないのもありますが、届くかどうかわからない様なところには操作器があっても急な操作、例えばブレーキを踏んで、バックライトが付くなど急な動作には確実な情報伝達が必要です。そういう場所に有線が使われます。

 

逆に無線が使われるのは、一回で信号が伝わらなくても、再度やり直しても大丈夫な状態(危険ではない状態)で使われます。テレビのリモコンでもエアコンのリモコンでも一回押して動かないときは、もう一回やり直しますね。そういう時に使われます。

 

このように、有線では確実に操作する、無線では確実でなくても便利を優先にする、という具合で使い分けると考えるとわかりやすいと思います。有線とするか無線とするかの基本概念としては、その様に考えてよいと思います。

 

3 .無線の便利さはどこにある

前述したように、有線、無線は確実性を基本概念と考えて使い分けます。しかし、そうは言っても、有線だとケーブルが周りにあって邪魔です。そうすると、ケーブルを無くして、無線化したくなります。

 

また、自動車の様に道路を走行している時に何かのケーブルが繋がっているなどはあり得ないことです。逆に電車はレールの上を走行し、送電線やレールから動力(モータ等)を動かすための電源を供給されています。自動車はレールとは関係なく、どこでも行けるように動力とそのための燃料タンクがあります。対して、電車は送電線から電気をもらいます。電車の例は通信とは別の考えですので、今回は対象にしません。

 

さて、本題に戻します。どんな機能を無線にすると便利か?これは非常に短絡的な考えだと、ケーブルが邪魔、持ち歩く、そもそもケーブル接続できない、などが考えられます。

 

例えば、海上に浮かんでいる船舶にケーブルつなげられるでしょうか、空を飛ぶ航空機にケーブルがつなげられるでしょうか。遠くに行こうとしている乗り物にあり得ないですね。このように遠くのところと何らかの情報伝達することから、無線通信は生まれています。その意味は、離れていてもつながるようにするための手段として無線機能を使うと言えます。そう考えると、無線化というのは場所を選ばず、ケーブルをつかって物理的につなげるなどの準備なしで使用できる点が有利なことになります。

 

これが、無線化とする利点になり、離れて使う、煩雑なケーブルがない、周りがスッキリするなど、他にも利点はたくさんあると思います。ここまでは、誰もが考える便利な点です。

 

4. 無線通信でできること

昔から無線でやっていることと言えば、電波を使った場合で、電話のコードレスフォン、携帯電話などの無線通信装置です。電波を使わないものもあります。テレビ、エアコンのリモコンは赤外線という光の一種を使います。コードレスフォンでは音声信号を無線で通信させ、テレビのリモコンはチャンネルや音量を変える信号を無線伝送します。

 

無線は、音声通話はもちろんWiFiをつかったインターネットなどに使われるのが家庭用として汎用的に使われていてわかりやすいです。スマホは身近な無線通信装置で、音声もインターネットもできます。その他にスマホをリモコン装置として、遠隔制御で家庭用のエアコンの電源やお風呂の運転もできますし、玄関ドアの施錠とかも最近の流行りです。IoT(Internet of Thing:もののインターネット)と言われる機能は、今や無線でできるようになっています。

 

このように、昔はトランシーバで、もしもしハイハイだけでしたが、今ではIoTによりスマホでの遠隔操作までできるようになりました。

 

ところで、通信というのは送信と受信でセットです。無線通信で使われている受信信号は、ザックリ言うと1Vの100万分の1の電圧の微弱信号です。もちろん電波を発信する側ではもっと電力は大きいです(家庭用では大体10mW程度です)。プロ用の電波発射装置やテレビ放送用では、100kWなどの大電力のものもあります(大電力とするのは、電波を遠くに届けるためですが)。そのため、通話信号、制御信号程度が情報伝送することが一般的です。

 

ところが、最近では、電源を無線で送ってしまおうという技術まで出てきました。いわゆる無線給電です。これは、コードレスで電源を機器に供給するというものになります。この技術は無線には違いありませんが、今までの制御信号を伝送するのとは少し異なります。

 

これからの技術になりますが、現在注目されている用途としては、電気自動車の充電があります。音声や制御だけでなく電源電力も無線で送ってしまおうと考えられています。

 

5. 無線化のためにはどういう観点が必要か

これについては、恐らくどんな人も考えると思います。ケーブルやコードがあるのはハッキリ言って邪魔ですが、ケーブルで繋がっているものをそう簡単に無くせません。そこで、ケーブルの代わりになるものが必要になります。それが「無線機」となります。単純な図で表すと以下の様なポンチ絵になります。
(無線機 送信機→受信機 に信号が伝わる)

 

電気電子技術

 

つまり、有線の代わりになるものが必要という事です。ケーブルが途中で繋がっていない部分を別の手段でつなげるという事です。有線の世界と無線の世界は別の世界と考えてもらっても良いです。有線は有線同士でお話ができて、無線では無線同士でお話しできます。もちろんそれぞれの世界では常識が違うので、有線同士でも同じコトバ(規則、プロトコルと言われます)で繋がります。

 

無線も同じです。簡単な例で言うと、スマホは通常の携帯電話回線同士ではお話しできます。しかし、LINE電話とは繋がりません。当然LINE電話同士で繋がります。当たり前と思いますが、これは非常に重要な概念です。同じ様に口でコトバを発したとしても、それが日本語と英語では通じません。携帯電話とLINEが通じないのと同じです。同じ規則で同じ常識でお話ができます。

 

なので、無線化するには、信号を発する側と受ける側では同じ規則でなければなりません。

 

身近な例では、パソコンとワイヤレスマウスは同じ規則で通信しています。この場合は、BlueToothという通信規格を同じ規則として適用することで、どんなパソコンでもどんなマウスでも使うことができます。ただし、まず最初に「私とあなたは繋がりますよ」ということをお互いに認識することで使用することができます。これをBlueToothでは「ペアリング」と呼んでいます。

 

また、無線の場合はその信号がお互いに届く必要があります。有線で言えば電線の長さが十分であることです。無線は見えないためにどこまで届くのかわかりません。どこまで届いているかは、専用の計測器などを使えば見える化できます。

 

このように、無線化する観点としては「全ての繋げるための規則をそろえること」と「無線信号が通じること」が重要なことになります。これらができて初めて、伝送速度を上げる、伝送量を多くするなどの機能性能を向上させたりすることができるようになります。

 

6. まとめ

長々と記述しましたが、通信機能というものの目的と利用方法を知ったうえで、何に適用するかを、まず考えなければなりません。何でもかんでも「無線」ではありません。目的を達成することが、重要な第一歩になり、そこが明確でないと「何をしているかわからない」モノになります。

 

無線機能はモノを便利にします。しかし、使いたいシチュエーションで使えなければ意味が無いので「どうやって使えるようにするか」を考えます。そのためには、運用条件から要求される「仕様」を決め、どう実現するかの「設計」を行います。

 

昔は、部品が大きく、需要も少なかったこともあり、無線でのリモコンなどはあまり一般的ではありませんでした。しかし、今では無線化するために、部品が小さく、様々な通信規格もできており、非常に一般的なものとして受け入れられています。

 

有線だったものを無線化する無線機能付加は、無線の特徴を理解し、どう運用するかを考えることで、実現することが可能となってきます。

 

ちなみに「無線の特徴」は一般的に大まかに理解できているとは思いますが、実は勘違いが非常に多いのも事実です。例えば、WiFiの電波はどこにいても通じると思っている人がいます。しかし、在宅勤務などでのオンライン会議を経験していると、画面や音が途切れることを感じる人がいると思います。「何で途切れるのか、何でうまくつながらないのか?」疑問に思う人が沢山いると思います。

 

この理由は、WiFiの無線ルータの近く(アンテナの近く)でパソコンを使っていないとか、外来ノイズ、周囲環境での無線電波の反射などが原因でWiFi信号は通じにくくなるということが考えられます。しかし、WiFiが「なぜつながらない、なぜ途切れる」と疑問に思う最大の理由は携帯電話が「どこでも通じる」ということが原因ではないかと思っています。携帯電話が無線だという事は皆さん知っているので、無線はどこでも通じると「勝手な勘違い」をしていると思います。

 

無線化は、条件が許せば、ほとんどの機器で可能です。今回の解説で、皆さんの参考になれば幸いです。

 

【出典】コスモICT HPより、筆者のご承諾により編集して掲載。

 

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この記事の著者

田口 恵一

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