ブレインストーミングのやり方とは?進め方のポイントやルールなどを解説

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ブレインストーミングのやり方とは?進め方のポイントやルールなどを解説


課題解決のためのアイデアを発想する方法にはさまざまなものがありますが、その中でも広く活用されているのがブレインストーミングです。ブレインストーミングは職場研修などでも多く扱われるテーマであり、また実際に参加や運営の経験がある方も多いことと思いますが、その概要やルール、進め方などを改めておさらいしてみたいと思います。

【目次】


    ブレインストーミングとは

    ブレインストーミングとは会議の場で使用される「集団発想法」のひとつで、複数のメンバーが自由にアイデアを出し合うことによって短時間に多数のアイデアを集め、問題の解決策や新たなアイデアの発見・発想に役立てようとする技法です。
    英語表記はBrainstorming、また日本では集団発想法、集団思考、ブレスト、BS法、課題抽出などとも呼ばれます。なおJIS Q 31010では「ブレーンストーミング」の表記を取っています。
    ブレインストーミングはアメリカの実業家・著作家アレックス・F・オズボーンによって考案されました。1940~50年代の同氏の著作によって広く知られるようになり、クリエイティブな発想の獲得はもとより、個人だけの考えでは浮かばないアイデアを発見・提案したり、会議参加者全員のアイデアを簡単にまとめたりすることができるツールとして、社会のさまざまな場面で活用されています。

    ブレインストーミングとブレインライティングの違い

    ブレインストーミングに似た集団発想法にブレインライティングがあります。ブレインライティングは1968年に西ドイツの形態分析法の専門家ホリゲルによって考案された思考法で、当初は635法と呼ばれました。
    アイデアを自由に発言するブレインストーミングと異なり、シートを回覧板のように回して「書く」ことが最大の特徴です。発言する必要がないので多人数の中での発言が苦手な人でも意見を出すことができ、また参加者全員が必ずアイデアを書くのでたくさんのアイデアを集めることができる方法です。

    【ブレインライティングの詳しい解説はこちらから】 
    『ブレーンライティングとは』
    『ブレインライティングは全員が強制的に考えること!』


    ブレインストーミングを行う上でのルール

    ブレインストーミングは優れた集団発想法ですが、不適切なやり方をすると期待するような成果を得ることができません。ブレインストーミングを適切に行うために守るべきルールは、以下の4つです。

    1) アイデアを批判・否定しない

    参加メンバーが自由にアイデアを出せる場とするために、アイデアに対する批判や否定はしてはなりません。もし出したアイデアが批判・否定されると、参加メンバーが萎縮し、自由に発言しにくい雰囲気になってしまいかねないからです。どんな意見でも歓迎して、多くの参加者が多数の幅広いアイデアを出せる空気を作ります。

    2) 変わったアイデアを歓迎する

    一見して非現実的だったり常識から外れていたりするアイデアでも、そこから有意義なアイデアにつながっていくことがあります。そのため変わったアイデアを歓迎し、そこからさらにアイデアを広げられるような場となるようにします。

    3) アイデアの質より量を重視する

    ブレインストーミングでは、アイデアの質よりも量を重視します。たとえどんな突飛な意見であっても、それらを基にしてさらに優れたアイデアを生み出せる可能性があるからです。そのために、上記の 1) 批判・否定しない 2)変わったアイデアを歓迎 というルールを守り、参加者からより多くの幅広いアイデアが出るようにします。アイデアの量を優先することで参加者が革新的・発散的に思考でき、結果としてアイデアの質を高めることができます。

    4) アイデアをまとめる

    ブレインストーミングをはじめとする集団発想法の特徴として、ある1つのアイデアが他のアイデアの種になったり、複数のアイデアを結合することでさらに新しいアイデアが生まれたりするという複合的な発想を得られることが挙げられます。この効果を得るために、参加者が他の参加者のアイデアに耳を傾け、それに便乗してさらにアイデアを加えることを推奨します。

    ブレインストーミングのやり方・進め方

    1) テーマと目的を設定する

    最初に議論のテーマや問題を定義します。具体的で実現可能なテーマ・問題を定めて、議論が脇道にそれて発散してしまうことを防ぎます。次に目的(ゴール)を明確にします。例えば「参加者がアイデアを○○個ずつ出した中から□□個の良いアイデアを選ぶ」というように目的を示して、参加者に最終成果のイメージを共有します。

    2) 司会(ファシリテーター)を決める

    司会進行役であるファシリテーターを決めます。スムーズな進行は勿論ですが、ブレインストーミングでは上記のルールを遵守してどのようなアイデアでも歓迎される場の空気を作り、多くの参加者から多くの自由なアイデアが出るようにすることが、ファシリテーターの重要な役割です。

    3) 参加者を決める

    ブレインストーミングは10人以下のグループ(または個人)での実施が原則ですが、参加者の選定では、同じ属性や考えを持つ人をなるべく複数参加させないことがポイントとなります。同質の考えを持つ人ばかりを集めてしまうと似たようなアイデアばかりしか出ず、ここまで述べてきたようなブレインストーミングの効果が薄れてしまうからです。年齢、性別、所属部署、職位、経験など、できるだけ多様な背景を持つ人を集めます。

    4) 制限時間内に意見やアイデアをできるだけ出す

    ブレインストーミングは制限時間を設定して実施し、その中で多くのアイデアを出していくことが重要です。時間をかけ過ぎると参加者の集中力が切れてしまい、良い成果が得られなくなってしまう恐れがあるからです。全体で20〜30分程度の制限時間とし、このうち5〜10分程度をアイデアの発想・量産に充てるのが一般的です。もし制限時間を延ばす場合は、途中に休憩時間を挟みます。

    5) 意見やアイデアをまとめる

    制限時間終了後に、参加者から出たアイデアを1) で設定した目的に沿ってまとめます。15〜20分程度の時間をかけてまとめるのが一般的です。まとめの作業では、それぞれのアイデアを結合したり新たな視点を付け加えたりして創造的な発想につなげていきます。このまとめの作業こそがブレインストーミングの成果を決定づけます。

    ブレインストーミングを行う際のポイント

    ここまで述べたルールと進め方を踏まえて、ブレインストーミングを行ううえで注意すべきポ...


    ブレインストーミングのやり方とは?進め方のポイントやルールなどを解説


    課題解決のためのアイデアを発想する方法にはさまざまなものがありますが、その中でも広く活用されているのがブレインストーミングです。ブレインストーミングは職場研修などでも多く扱われるテーマであり、また実際に参加や運営の経験がある方も多いことと思いますが、その概要やルール、進め方などを改めておさらいしてみたいと思います。

    【目次】


      ブレインストーミングとは

      ブレインストーミングとは会議の場で使用される「集団発想法」のひとつで、複数のメンバーが自由にアイデアを出し合うことによって短時間に多数のアイデアを集め、問題の解決策や新たなアイデアの発見・発想に役立てようとする技法です。
      英語表記はBrainstorming、また日本では集団発想法、集団思考、ブレスト、BS法、課題抽出などとも呼ばれます。なおJIS Q 31010では「ブレーンストーミング」の表記を取っています。
      ブレインストーミングはアメリカの実業家・著作家アレックス・F・オズボーンによって考案されました。1940~50年代の同氏の著作によって広く知られるようになり、クリエイティブな発想の獲得はもとより、個人だけの考えでは浮かばないアイデアを発見・提案したり、会議参加者全員のアイデアを簡単にまとめたりすることができるツールとして、社会のさまざまな場面で活用されています。

      ブレインストーミングとブレインライティングの違い

      ブレインストーミングに似た集団発想法にブレインライティングがあります。ブレインライティングは1968年に西ドイツの形態分析法の専門家ホリゲルによって考案された思考法で、当初は635法と呼ばれました。
      アイデアを自由に発言するブレインストーミングと異なり、シートを回覧板のように回して「書く」ことが最大の特徴です。発言する必要がないので多人数の中での発言が苦手な人でも意見を出すことができ、また参加者全員が必ずアイデアを書くのでたくさんのアイデアを集めることができる方法です。

      【ブレインライティングの詳しい解説はこちらから】 
      『ブレーンライティングとは』
      『ブレインライティングは全員が強制的に考えること!』


      ブレインストーミングを行う上でのルール

      ブレインストーミングは優れた集団発想法ですが、不適切なやり方をすると期待するような成果を得ることができません。ブレインストーミングを適切に行うために守るべきルールは、以下の4つです。

      1) アイデアを批判・否定しない

      参加メンバーが自由にアイデアを出せる場とするために、アイデアに対する批判や否定はしてはなりません。もし出したアイデアが批判・否定されると、参加メンバーが萎縮し、自由に発言しにくい雰囲気になってしまいかねないからです。どんな意見でも歓迎して、多くの参加者が多数の幅広いアイデアを出せる空気を作ります。

      2) 変わったアイデアを歓迎する

      一見して非現実的だったり常識から外れていたりするアイデアでも、そこから有意義なアイデアにつながっていくことがあります。そのため変わったアイデアを歓迎し、そこからさらにアイデアを広げられるような場となるようにします。

      3) アイデアの質より量を重視する

      ブレインストーミングでは、アイデアの質よりも量を重視します。たとえどんな突飛な意見であっても、それらを基にしてさらに優れたアイデアを生み出せる可能性があるからです。そのために、上記の 1) 批判・否定しない 2)変わったアイデアを歓迎 というルールを守り、参加者からより多くの幅広いアイデアが出るようにします。アイデアの量を優先することで参加者が革新的・発散的に思考でき、結果としてアイデアの質を高めることができます。

      4) アイデアをまとめる

      ブレインストーミングをはじめとする集団発想法の特徴として、ある1つのアイデアが他のアイデアの種になったり、複数のアイデアを結合することでさらに新しいアイデアが生まれたりするという複合的な発想を得られることが挙げられます。この効果を得るために、参加者が他の参加者のアイデアに耳を傾け、それに便乗してさらにアイデアを加えることを推奨します。

      ブレインストーミングのやり方・進め方

      1) テーマと目的を設定する

      最初に議論のテーマや問題を定義します。具体的で実現可能なテーマ・問題を定めて、議論が脇道にそれて発散してしまうことを防ぎます。次に目的(ゴール)を明確にします。例えば「参加者がアイデアを○○個ずつ出した中から□□個の良いアイデアを選ぶ」というように目的を示して、参加者に最終成果のイメージを共有します。

      2) 司会(ファシリテーター)を決める

      司会進行役であるファシリテーターを決めます。スムーズな進行は勿論ですが、ブレインストーミングでは上記のルールを遵守してどのようなアイデアでも歓迎される場の空気を作り、多くの参加者から多くの自由なアイデアが出るようにすることが、ファシリテーターの重要な役割です。

      3) 参加者を決める

      ブレインストーミングは10人以下のグループ(または個人)での実施が原則ですが、参加者の選定では、同じ属性や考えを持つ人をなるべく複数参加させないことがポイントとなります。同質の考えを持つ人ばかりを集めてしまうと似たようなアイデアばかりしか出ず、ここまで述べてきたようなブレインストーミングの効果が薄れてしまうからです。年齢、性別、所属部署、職位、経験など、できるだけ多様な背景を持つ人を集めます。

      4) 制限時間内に意見やアイデアをできるだけ出す

      ブレインストーミングは制限時間を設定して実施し、その中で多くのアイデアを出していくことが重要です。時間をかけ過ぎると参加者の集中力が切れてしまい、良い成果が得られなくなってしまう恐れがあるからです。全体で20〜30分程度の制限時間とし、このうち5〜10分程度をアイデアの発想・量産に充てるのが一般的です。もし制限時間を延ばす場合は、途中に休憩時間を挟みます。

      5) 意見やアイデアをまとめる

      制限時間終了後に、参加者から出たアイデアを1) で設定した目的に沿ってまとめます。15〜20分程度の時間をかけてまとめるのが一般的です。まとめの作業では、それぞれのアイデアを結合したり新たな視点を付け加えたりして創造的な発想につなげていきます。このまとめの作業こそがブレインストーミングの成果を決定づけます。

      ブレインストーミングを行う際のポイント

      ここまで述べたルールと進め方を踏まえて、ブレインストーミングを行ううえで注意すべきポイントを説明します。

      1) やりっぱなしにしない

      ブレインストーミングの中で議論のテーマに対する結論を出す必要はありませんが、参加者から出たアイデアは必ず記録・整理しておく必要があります。ブレインストーミングをやりっぱなしで放置してしまうと実施した時間と手間が無駄になるばかりでなく、今後ブレインストーミングを実施する際の参加者のモチベーション低下にもつながりかねません。

      2) 参加者の立場を考慮してファシリテーターがサポートする

      やり方・進め方の中でも説明した通り、ブレインストーミングにはなるべく異なる立場の参加者を集めることが重要ですが、立場や職位などが異なるために発言しづらく感じる参加者が発生してしまうことがよくあります。そのような場合にはファシリテーターが積極的に発言を促し、多くの自由なアイデアが出る場の空気を作る必要があります。

      3) 話の本筋をキープする

      ブレインストーミングでは自由に発言することが重要ですが、話が本筋から大きく外れてしまうと期待する成果を得ることが難しくなってしまいます。脱線した意見が出た場合にはそれを尊重しつつも、本来のテーマに戻るような話題の流れを作り出すことが大切です。

      ブレインストーミングについてより深く学ぶなら

      ものづくりドットコムではブレインストーミングをはじめ、アイデア発想法に関する記事やセミナーを多数紹介しています。優れたアイデアを導いて課題解決につなげるために、ぜひ活用してください。

      【ブレインストーミングの記事はこちら】
      【アイデア発想法の記事はこちら】
      【アイデア発想法のセミナーはこちら】

      ブレインストーミングのやり方についてのまとめ

      ブレインストーミングとは会議の場で使用される「集団発想法」のひとつで、複数のメンバーが自由にアイデアを出し合うことによって短時間に多数のアイデアを集め、問題の解決策や新たなアイデアの発見・発想に役立てようとする技法です。クリエイティブな発想の獲得はもとより、個人だけの考えでは浮かばないアイデアを発見・提案したり、会議参加者全員のアイデアを簡単にまとめたりすることができるツールとして活用されています。
      ブレインストーミングの成果を得るためには、4つのルールを守って適切に実施することが重要です。

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      この記事の著者

      嶋村 良太

      商品企画・設計管理・デザインの業務経験をベースにした異種技術間のコーディネートが得意分野。自身の専門はバリアフリー・ユニバーサルデザイン、工業デザイン、輸送用機器。技術士(機械部門・総合技術監理部門)

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