赤外線吸収法:金属材料基礎講座(その154) わかりやすく解説

 

◆ 赤外線吸収法

金属の成分分析は金属系の元素以外にも炭素、硫黄、酸素、窒素など非金属系元素の分析も重要です。これら元素はICP-AESのような分析方法ではなく、赤外線吸収法(炭素、硫黄、酸素など)や熱伝導度法(窒素など)が用いられます。非金属元素の分析方法について下表に示します。

表.非金属元素の分析方法

 

赤外線吸収法の模式図を下図に示します。試料を磁製るつぼにセットして試料を加熱します。この時に助燃材なども加えることがあります。

 

図.赤外線吸収法の模式図

 

加熱方法は電気式抵抗加熱方式(抵抗炉)と高周波誘導加熱方式(高周波炉)があります。試料を1000℃以上に加熱して溶解させ、その時試料から発生する炭素や硫黄を分析します。酸化雰囲気での加熱のため、炭素はCOやCO2になり、硫黄はSO2になります。

 

また、酸素を分析する時は真空雰囲気や不活性雰囲気で行われます。そして、試料の溶解には黒鉛るつぼが使用されます。試料中の酸素と黒鉛るつぼの炭素によってCOガスが発生します。これらガスは赤外線を吸収する性質があります。そのため、赤外線を放射した時に、波長がどの程度吸収されたかを標準試料と比較して測定します。この方法を赤外線吸収法といいます。

 

次回に続きます。

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