液相面投影図と等温切断面:金属材料基礎講座(その177) 

 

◆ 液相面投影図と等温切断面

三元系状態図の表示方法として、立体的な図形で表示することよりも、真上から見た図や、ある温度における平面的な表示の等温切断面がよく用いられます。図1のような三元系状態図を表示する時に、真上から見ると液相面が見えます。そして液相面は温度や組成とともに変化します。この変化を天気図の等圧線のように等温線で描きます。この図を液相面投影図と言います。液相面投影図は金属に限らず酸化物系、ガラス系など様々な分野で描かれます。図1のような単純なL+αではなく、多くの相が表れる複雑な液相面投影図もあります。この場合、矢印によって高い温度から低い温度への流れを表示しています。

 

図1.液相面投影図の表示

 

状態図には液相面投影図の他に等温切断面による表示も行われます。これは図2の赤三角で表したある温度の状態を平面的に描くものです。温度が高いとLの領域が多いですが、温度が低下すると固相のαなどの領域が多くなります。通常、等温切断面は温度の高い状態から低い状態に向けて数種類用意されます。

 

図2.等温切断面の表示

 

次回に続きます。

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