前回は、技術士第二次試験対策:受験の動機を明確にするを解説しましたが、今回は「失敗から学ぶ、不合格から学ぶ」を解説します。
1. 社員研修での失敗から学ぶ
有限会社ジェイタプコは「内容が明確に伝わる技術文書の書き方」を社員研修セミナーで開催しています。社員研修の場合、研修終了後に、アンケート用紙に研修の評価を書いてもらいます。この研修を始めてから10年以上が経ちますが、時には、厳しい評価や意見をいただくこともありました。これらの評価や意見を読むと「なるほど。気が付かなかった。次回からは指摘された内容を踏まえて解説しよう」と思うこともありました。厳しい評価や意見で、社員研修の質(解説の質)がその都度、向上します。自分では気が付かなかったことを受講された方がアンケートを通して教えてくれるからです。現在の社員研修では解説の冒頭に次の内容を話しています。
今日の解説内容のイメージは「美味しい料理を作るための“食材”の調理方法の解説です」この意味は、例えば「すでに用意された食材を使って美味しいビーフシチューを作る方法の解説」ということです。つまり、ビーフシチューを作るために必要な(準備する)食材の説明をしないというこ...
「内容が明確に伝わる技術文書の書き方」を使って技術文書を書く場合には、技術文書として書くべきことが頭の中にすでにあることが前提条件です。「内容が明確に伝わる技術文書の書き方」とは、頭の中にあることを「内容が明確に伝わる技術文書」に変換する方法(書き方)だからです。
例えば、技術提案書に書く内容がすでに頭の中にありそれに基づき「内容が明確に伝わる技術提案書」を書きたいときに使うのが「内容が明確に伝わる技術文書の書き方」です。このようなことを冒頭に話すようになったのは社員研修でのある方のアンケート結果を読んだからです。このときには上述の内容を社員研修の冒頭に話していませんでした。そのため、この方は、自分が聴きたかったことが解説項目の中に入っていなかったのでこのことをアンケートに書いたと思います。
このアンケート内容を読んだとき重要事項の説明不足に気が付きました。まさに、これは、社員研修での失敗から学んだことです。
2. 技術士第二次試験での失敗(不合格)から学ぶ
この記事を書いている現在、2024年度の技術士第二次試験の筆記試験が終了してから約2か月が経過しました。合格を確信している方、合格か不合格かまだわからない方「たぶん、不合格だろう」と思っている方など様々だと思います。
2025年度の試験での合格を目指して受験勉強をすでに始めている方もいると思います。「たぶん、不合格だろう」と思っている方で来年再度受験しようと考えている方は2024年度の不合格の原因を徹底的に分析すべきです。また、その分析結果に基づき2025年度の受験対策を考えるべきです。失敗(不合格)の分析をしないで受験勉強を始めたらまだ同じ失敗を繰り返すかもしれません。2024年度での不合格を無駄にしないためにも失敗(不合格)から学んだことを活かしましょう。
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【関連文献紹介】森谷仁著、「マンガでわかる技術文書の書き方」、オーム社、令和4年3月25日
◆【特集】技術士第二次試験対策:技術士第二次試験に関する記事まとめページはこちら!口頭試験や論文対策などのポイントについての記事を紹介しています。