【マーケティングを考える 連載目次】
前回のその3に続いて解説します。我々は、生活するために仕事をしているのでしょうか、現象的にはそうかも知れません。
しかしそれでは良い仕事はできないと思います。生活のためなら、仕事を楽にしようとする、難しいことは避けようとする、責任範囲以外は無視しようとする、創意工夫などバカらしいかもしれません。それでは人間ではなく動物に等しいです。我々は仕事を楽しまなければならないと考えます。何のために仕事を楽しむのか、それは生活を楽しむためです。何のために生活を楽しむのか、それは人生を楽しむためです。これが究極的な目的で、楽しむことは、良い仕事をすることにつながっているはずです。それが社会に貢献し、他の人にも楽しみを、喜びを、幸福を与えることになるでしょう。仕事そして人生を価値あるものにするために楽しむのです。
そのためにマ-ケティングが重要になるのです。仕事を価値あるものにするための道具がマ-ケティングなのです。すばらしい技術、すばらしい知識・学問、すばらしいKnow-How、高度の学歴、高度の教養があっても、マ-ケティング・センスがなければ、目標とすることは成就しないでしょう。栄光ある歴史、大きな財産、すばらしい事業成果があってもマ-ケティング・センスがなければ、もうその継続性は期待できないでしょう。これはどんな仕事、どんな職種、どんな階層の人にも共通に言えることだと思います。
人事部門、総務部門、経理部門、製造部門の良い人材、営業部門、技術開発部門の良い人材は、みんな良いマ-ケティング・センスを持っています、だから仕事を楽しんでいるはずです。マ-ケティングというのは、どの部門にもあてはまる根本的な概念と理解すべきでしょう。マ-ケティングは、定型JOBではありません。だから定型JOBの仕事をやっている人には当てはまらないと考えた途端、マンネリJOBに落ち込みます。定型JOBを如何に戦略的にやるかということを前提にしないかぎり定型JOBは、面白くない仕事、楽しめない仕事になります。だからマ-ケティングという機能は、企業の全職場に、全職種に当てはまる仕事です。
マ-ケティングは一つの機能ではありません。ビジネスのやり方そのものであります。またマ-ケティングは企業全体の仕事であり、受付係から役員まですべての社員の業務規定の一部であります。成功している会社は、製品の品質のよさに加え、マ-ケティングが企業にとって不可欠である点を理解しているはずです。そして、組織の人間にとっても不可欠であるということを理解しなければならないと思います。まさに全...
社マ-ケティングなのです。マ-ケティング部門だけがマ-ケティングをやっていると、企業の機能低下はかなりのスピ-ドで進み、組織も人もマンネリ病に陥り、よい企業風土をつくりあげることは難しいでしょう。
マ-ケティングの究極の任務は、顧客の真のニ-ズに奉仕し、企業の実体を知らせることです。マ-ケティングは、企業キャラクタ-の表現ですから、必然的に企業全体にみなぎる責任となります。まさにマ-ケティングがすべて、すべてがマ-ケティングです。何故マ-ケティングかの答えをここに見つけることができると思います。