SWOT分析による戦略の策定

投稿日

 組織のビジョンや戦略の策定において、外部環境のどの市場機会にフォーカスして、内部環境(自社の経営資源)をどうやって適合させていかくかということがポイントになります。外部環境として、次の2つに分けることができます。
 

1.ミクロ環境(自社の経営に直接影響を与える業界内の環境)

 需要状況、顧客動向、競合動向、製品関連技術、原材料市場と供給業者の動向、協力業者、株主など、分析には、3C分析5F分析などが活用できます。
 

2.マクロ環境(コントロールが困難な業界外の環境)

 自然環境、社会環境、文化、人口動態、政治、経済、産業構造、金融、労働市場、先端技術など、分析には、PEST分析などが活用できます。
 
内部環境として、次のような視点で分析することができます。
 
(1)経営資源の視点
 人的資源、物的資源、財務力、情報的資源など
 
(2)知的資産の視点
 
(3)バリューチェーンの視点
 企画、設計、調達、製造、物流、販売、アフターサービスなど
 
(4)マーケティングの視点
 製品・サービス、顧客、販売チャネル、販売促進など
 
 自社にとって機会や脅威となる外部環境を洗い出すとともに、競合他社との比較や自社の目標レベルの達成度合いなどから内部環境の強みと弱みを洗い出し、図1のようなマトリックス表を作成することで、SWOT分析を行います。
 
                         swot
図1.SWOT分析
 
 ビジョンや戦略の方向性を打ち出すために、内部環境と外部環境を掛け合わせて、次のような視点でクロスSWOT分析を行います。・強み×機会:自社の強みを活かして得られる市場の機会を最大限に活用するためにどんな取り組みをしたらよいか
 
・強み×脅威:
  自社の強みを活かして市場の脅威の影響を抑えることはできないか、
 
・弱み×機会:
  自社の弱みによって市場の機会を失わないためにどんな取り組みを
  したらよいか、
 
・弱み×脅威:
  自社の弱みと市場の脅威により最悪の結果とならないためにどんな
  取り組みをしたらよいか
 
 それぞれの項目での分析により得られた方向性に優先順位を付けることにより、ビジョンや戦略の企画立案の骨子が得られます。自社の今後の新たな展開としては、外部環境の変化に自社の強みを適合させていくことがポイントです。外部環境の変化から機会を見つけ出し、自社の強みを活用した取り組みが最も重要になり、外部環境の機会や自社の強みを十分に洗い出しながら、強み×機会の組み合わせでの分析を徹底して行うことが重要になります。図2.クロスSWOT分析
 
                           cswot
図2.クロスSWOT分析
 
 自社の立ち位置や取り組み方によって、外部環境の変化の機会や脅威の捉え方が変わってきます。また、他社との比較に...
 組織のビジョンや戦略の策定において、外部環境のどの市場機会にフォーカスして、内部環境(自社の経営資源)をどうやって適合させていかくかということがポイントになります。外部環境として、次の2つに分けることができます。
 

1.ミクロ環境(自社の経営に直接影響を与える業界内の環境)

 需要状況、顧客動向、競合動向、製品関連技術、原材料市場と供給業者の動向、協力業者、株主など、分析には、3C分析5F分析などが活用できます。
 

2.マクロ環境(コントロールが困難な業界外の環境)

 自然環境、社会環境、文化、人口動態、政治、経済、産業構造、金融、労働市場、先端技術など、分析には、PEST分析などが活用できます。
 
内部環境として、次のような視点で分析することができます。
 
(1)経営資源の視点
 人的資源、物的資源、財務力、情報的資源など
 
(2)知的資産の視点
 
(3)バリューチェーンの視点
 企画、設計、調達、製造、物流、販売、アフターサービスなど
 
(4)マーケティングの視点
 製品・サービス、顧客、販売チャネル、販売促進など
 
 自社にとって機会や脅威となる外部環境を洗い出すとともに、競合他社との比較や自社の目標レベルの達成度合いなどから内部環境の強みと弱みを洗い出し、図1のようなマトリックス表を作成することで、SWOT分析を行います。
 
                         swot
図1.SWOT分析
 
 ビジョンや戦略の方向性を打ち出すために、内部環境と外部環境を掛け合わせて、次のような視点でクロスSWOT分析を行います。・強み×機会:自社の強みを活かして得られる市場の機会を最大限に活用するためにどんな取り組みをしたらよいか
 
・強み×脅威:
  自社の強みを活かして市場の脅威の影響を抑えることはできないか、
 
・弱み×機会:
  自社の弱みによって市場の機会を失わないためにどんな取り組みを
  したらよいか、
 
・弱み×脅威:
  自社の弱みと市場の脅威により最悪の結果とならないためにどんな
  取り組みをしたらよいか
 
 それぞれの項目での分析により得られた方向性に優先順位を付けることにより、ビジョンや戦略の企画立案の骨子が得られます。自社の今後の新たな展開としては、外部環境の変化に自社の強みを適合させていくことがポイントです。外部環境の変化から機会を見つけ出し、自社の強みを活用した取り組みが最も重要になり、外部環境の機会や自社の強みを十分に洗い出しながら、強み×機会の組み合わせでの分析を徹底して行うことが重要になります。図2.クロスSWOT分析
 
                           cswot
図2.クロスSWOT分析
 
 自社の立ち位置や取り組み方によって、外部環境の変化の機会や脅威の捉え方が変わってきます。また、他社との比較における相対的な視点で内部環境の強みや弱みを判断することになります。どんな狙いで何をどうしたいのか、分析の前提条件を明確にし、関係社内で共有化しておく必要があります。外部環境、内部環境ともに、分析の対象が広範囲に渡るため、テーマによって、分析の範囲を絞ることで効率が上がります。たとえば、商品品戦略の策定では、3C分析による外部環境分析とマーケティングとバリューチェーンの視点による内部環境分析を用いて、SWOT分析を進めることは可能です。外部環境と内部環境を組み合わせることで、ビジョンや戦略の指針が明確になるとともに、深い洞察により従来のワクを超えたユニークな着眼点を見出すことで、競合他社と差別化する強力な要素が生まれます。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

桐畑 慎司

現場目線、現場密着の「実践コンサルティング」で、新商品づくりをとことん支援いたします!

現場目線、現場密着の「実践コンサルティング」で、新商品づくりをとことん支援いたします!


「SWOT分析」の活用事例

もっと見る
研究開発とランチェスターの法則、SWOT分析

  1. 研究開発とランチェスターの法則  ランチェスターの法則は、軍事のために見いだされた法則ですが、日本では営業の方の間で流行した法...

  1. 研究開発とランチェスターの法則  ランチェスターの法則は、軍事のために見いだされた法則ですが、日本では営業の方の間で流行した法...