新素材のマーケティングにおける基本概念
2016-03-17
今迄の取り組みにおいて私の知る限りでは、商品開発者が販売活動(セールス)を通じてお客様探しをしていく。そして、可能なお客様に使っていただけるかの判断をして頂き、採用条件をクリアして初めて採用に漕ぎ着け、改良を重ねに重ねてそこのメーカーさんの要求仕様を満足できるようにし、導入結果をもとに更に別のメーカーへと売り込みを図り、販売の見込みが立ったらそこで本部営業部隊に引き渡す(受け入れてもらえる)。
営業さんとしても売れるか売れないか分からない製品を売って歩くほど手が余っているわけもないので、どうしても開発立ち上げ時には商品開発担当者が事業化を目指した取り組みをしていかなければならないようです。
でも、よく考えてみるとこれは大変な仕事です。商品開発担当の方はセールスの仕方なんて詳しくは知りませんでしょうし、ましてやマーケティングなど恐らく経験もなくやり方など分からないことでしょう。
しかし、自分たちで開発した商品だから人一倍思いがあります。その思いだけで一生懸命やっている、かように見受けられます。とはいうものの、やっていることはビジネスです。会社としては一日でも早く売り上げに結びつけていきたいはずです(実際には急かされているはず)。
そこで、商品開発担当者の方々が自らマーケティング、市場開発ができるスキルを持って取り組むことができるようになれば、自分たちが開発した商品を自信を持って一日も早く市場に供給することが可能になるのはないかと思うのです。
その入口としてまず、新素材のマーケティングにおける基本概念の一つをご紹介します。マーケティングというとニーズオリエンテッドという言葉がすぐに思い浮かびます。マーケットイン志向は必要ですが、新素材の場合には特にシーズオリエンテッドの考え方が重要であると考えています。
これは市場喚起型マーケティングを意味します。市場喚起型は潜在ニーズを探索しそのニーズに合った商品を考え出し市場に提案していくことです。新素材なのだからお客様もその使い方がわからないでしょう。ですから、開発者が気づかせてあげられるような提案をしてあげようとい...
うわけです。
素材メーカーさんの顧客は加工メーカーさんであるとか完成品メーカーさんということになるでしょう。でも、潜在ニーズはエンドユーザーから読み取らなければなりません。このように新素材のマーケティングは2層の顧客を対象にアプローチして行きながら喚起可能な市場を探し求めていくのです。
新素材のマーケティング、市場開発はマーケットも大きく顧客層も広く多種多様でその活動は大変のように思われますが、限定的でない分、創造が広がり取り組み易いかもしれません。